新型コロナウイルス拡大を機に、一気に広がったキャンプブーム。一時は全国各地のキャンプ場で予約が殺到し、週末などは数カ月先まで空きがないような状況が続いた。
ところが、その一大ブームも2024年に入り急失速。100円ショップなどでも目立つ場所にあったキャンプグッズ売り場もすっかり奥の方へと追いやられてしまった。また、ハードオフやセカンドストリートなどのリサイクルショップでは、使われなくなったキャンプ用品が山積みになっており、一時の盛り上がりがまるで嘘のようだ。
もっとも、ブームが去った今だからこそ狙い目という声が、ここにきて広がりをみせている。ただし、その使用用途は本来のキャンプとはいささか異なるようだ。
「キャンプグッズの中には『防災用品』として使えるものが多く、地震や洪水などの自然災害に備えてゲットしておこうという動きが活発化しているのです」(アウトドアライター)
確かに、寝袋やマットなどは避難生活で必要とされるのは間違いなく、電気やガスなどのインフラが遮断された際には、ガスコンロやランタン、懐中電灯、ソーラーパネル、ヘッドランプが大活躍するはずだ。
「避難所での問題の1つに避難民のプライバシーがありますが、1~2人用のテントなら、音や匂いはともかく、周囲から遮断した空間は確保できます」(前出・ライター)
新品を揃えるとかなりの額になってしまうが、中古品なら安くゲットすることができるため、キャンプブームが去った今が買い時と考える人が多いようだ。
「特にオススメなのは火器類と寝袋や断熱マットです。それと、アウトドアウェアも重宝しますね。キャンプや登山用のウェアは風雨に強く、また、冬物は着るだけで暖を取ることができるので、1人1着は用意しておくといいでしょう」(防災ライター)
災害被害は決して他人事ではない。「防災のためのキャンプ道具」を目当てに、リサイクルショップやホームセンターをのぞいてみるのもいいかもしれない。
(ケン高田)