松野博一官房長官や萩生田光一経済産業相が会見の中で、節電に取り組んだ家庭に2000円相当のポイントを支給する、いわゆる「節電ポイント」を8月中にも開始。しかし6月から猛暑日を記録している状況もあって批判が殺到している。
松野官房長官は28日の会見で「電力会社が提供する節電プログラムに参加する家庭への2000円相当のポイントの付与を8月中に開始する」と述べると、萩生田経産大臣も東京電力管内で「電力ひっ迫注意報」が発令されていること受けて8月をめどに節電ポイントを開始する考えを明らかにしたのだった。
ただ、これには与野党から批判が寄せられ、公明党の山口那津男代表は「無理して節電して熱中症になったら元も子もない。電気料金の負担を下げるよう岸田首相に連絡を取りたい」と語り、日本維新の会の馬場伸幸共同代表も「節電で健康や経済活動に支障が出るのは本末転倒だ」と一蹴した。
またネット上でも《国民はすでにエネルギー価格の高騰で精一杯の節電をしていると思う。国は節電ポイントなんてやらずに電気代の値下げをするべき》《ばらまく分の予算で電力供給元を増やしたり、蓄電設備の強化をしたり他にできることがあったのでは?》《6月から40度を超えるところが出てるタイミングで節電しろって、マジで日本政府は終わってる》など厳しい意見が相次いでいる。
「松野官房長官は会見で『熱中症を回避するために、エアコンを適切に利用することが大事で、無理な節電はお願いしていない』と強調していましたが、ポイントが欲しい人は夏場に最も電気代のかかるエアコンの使用を節約するしかありませんからね。原材料価格や物流費の高騰を受けて様々な分野で値上げラッシュが続いていますから、生活が苦しい人は節電ポイントのためにエアコンを切って熱中症になるというケースも想定されます。今年は平年と比べても厳しい暑さの夏になると予想されていますから、何もこの夏から節電ポイントをはじめなくても…と思ってしまいますね」(経済ジャーナリスト)
熱中症患者が増えないことを願うばかりだ。
(小林洋三)