「リンガーハット」長崎ちゃんぽん“30円値上げ”で心配されるマズい影響とは?

 長崎ちゃんぽんのチェーン「リンガーハット」が、4月26日から全店舗で価格改定を実施した。共通メニュー71品中の約65%を値上げしたという。2018年の値上げ以降、客離れに歯止めが掛かかっておらず、今回の値上げの影響を懸念する声もある。

「今回の値上げについてリンガーハットは、『昨今の急激な原材料費、物流費の高騰と今後の更なる上昇のリスクに対応し、引き続き国産野菜をはじめとした新鮮な食材を毎日店舗へ配送するため、やむを得ず商品の価格を改定させていただくことといたしました』と説明。看板メニューの長崎ちゃんぽんは、東日本で650円(税込=以下同)から680円に、西日本で620円から650円に値上げし、長崎皿うどんも680円から720円に値上げするなど平均約5%の価格改定となります」(フードライタ―)

 リンガーハットは18年8月に長崎ちゃんぽんを含む13商品を約3%値上げしたところ、客数の減少を招いたことで既存店売上高がたびたび前年度割れする状況となった。さらにショッピングモールのフードコートに数多く出店していたため新型コロナウイルスの影響をもろに受けてしまい、21年2月期連結決算は当期損失87億4600万円という創業来最大の赤字を記録。同期には既存店の128店舗を閉めたことも話題となっていた。

「4月14日に発表された22年2月期連結決算では純損益が9億4300円の黒字に転換しましたが、時短協力金が37億1500万円計上されているので、状況が上向いているとは言いにくい。リンガーハットの客離れの原因は値上げ以外にも、メニューの固定化も指摘されています。基本的には長崎ちゃんぽんと皿うどんのバリエーションしかなく、ここしばらく爆発的なヒット商品が誕生していない。昨年発売された『冷やしちゃんぽん麻婆茄子』は話題にはなりましたが、期間限定。大きな変化もなく値段だけが上がっていくイメージがあり、顧客を呼び込むことはなかなか難しいかもしれません」(経営コンサルタント)

 値上げ自体は仕方のないことかもしれないが、もう少し商品開発にも力を入れてもらいたいところか。

(小林洋三)

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