福岡県吉富町は3月7日、ふるさと納税で1万円寄付した人への返礼品である“水炊きセット”を、誤って「1円の返礼品」と登録してしまったと発表した。誤登録されたものは申込み開始から注文が殺到し、2分たらずで500セットが完売。その後、全商品がキャンセル扱いになったというが、これにネット上では安堵の声が広がっている。
「誤登録されたのは『華味鳥 水炊きシンプルセット2個セット』で、鶏肉とスープ、ポン酢が入った3~4人前の商品が2つ入ったセットになっています。町によれば、職員のミスによって4日午後10時41分に商品が1円の返礼品として『楽天ふるさと納税』に登録されると、同42分には在庫の上限である500セットが完売したといいます。あまりの安さですから、1回で100セットほど注文されているケースも複数あったそうです」(タウン誌ライター)
なお、町は同商品を1円で注文した53人に対して、お詫びのメールを出して注文をキャンセルすることを伝えたが、今のところ特に苦情などはないという。これにネット上では、《自分もECサイトで値段を誤登録してしまった経験があるから担当者の方の気持ちは痛いほど分かる。キャンセル扱いにできて本当に良かったね》《単純にダブルチェックしてなかったんだろうな。これはミスした職員ひとりの責任ではないが、とりあえずキャンセルできたようなのでひと安心》など大事にならなくてよかったとする意見が多く見られた。
「最近では様々な対策が講じられるようになり、こうしたミスもだいぶ減りましたが、かつてはECサイトなどで商品の価格を誤入力してしまい、ネット掲示板で祭り状態になることが度々ありました。中でも有名なのは、2003年に起きた『丸紅ダイレクト事件』でしょう。本来は19万8000円のNEC製のデスクトップPCを誤って19,800円と登録してしまい、1500台があっという間に完売。運営会社の丸紅は注文をキャンセル扱いにしようとしましたが、ネット掲示板で祭り状態になっていたこともあって購入者からの猛反発を受け、結局は1万9800円ですべて販売することとなり、2億円以上の損失を被り丸紅ダイレクトはサイトを閉鎖する結末を迎えました。他にも『ジェイコム株大量誤発注事件』など聞くだけで背筋が寒くなる事件がまだまだあります」(前出・タウン誌ライター)
ミスは誰にでもあるものだが、大事に至らず本当によかった。