2月末以降、欧米の企業が次々とロシアからの撤退や取引停止を表明。こうした動きは飲食業界も例外ではなく、8日にはマクドナルドとスターバックスがロシア国内にある全店舗の一時閉鎖を発表。そんな中、今後の動向が注目されているのは丸亀製麺だ。
13年にロシア進出を果たし、現在はモスクワ市内に7店舗を展開。当初掲げていた「5年以内に100店舗」には及ばないが、リーズナブルな料金で日本のソウルフードを食べることができるとモスクワっ子にも人気だ。
ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始した後も営業を続けており、今のところは一時閉鎖や撤退も発表していない。日本政府はロシアの軍事侵攻を非難しており、ロシア側も日本を非友好国に指定。さらに送金停止や航空機の乗り入れが中止され、駐在員の一時引き上げを決めた日本企業も増えている。ただし、欧米に比べるとその動きは鈍いという。
「例えば、ユニクロは衣服が生活必需品であることを理由に当面は営業を続ける方針であることを表明しています。また、サハリンの石油・天然ガス採掘事業には四大商社が出資していますが、日本のエネルギー事情もあって欧米のように簡単に撤退を決められない。営業を続ける丸亀製麺にとってはロシア国内で事業を継続する日本企業が多いこともプラスに働いています」(業界誌記者)
また、ロシア国内にある同チェーンは、直営店ではなくフランチャイズ。運営は母体のトリドールHDが出資した現地の別会社が行っている。
「同社は昨年11月に発表した中期経営計画で、今後6年以内に海外で4000店舗の出店を目指すことを打ち出しています。ロシアでは採算も取れているようですし、アジア圏以外での重要拠点のひとつに位置付けているはず。モスクワ以外の都市でも出店すれば人気店になる可能性が高いだけに、海外展開に積極的な社の方針に反する決断はしないのではないでしょうか」(同)
この判断が吉と出るか…。