全階級王者の格付けランキング「パウンド・フォー・パウンド」では常に上位で、〝日本ボクシング史上最強〟の呼び声も高いWBA・IBF世界バンダム級統一王者の井上尚弥。その井上に対し、以前から再三にわたって挑発してきたのが、WBO世界バンダム王者のジョンリル・カシメロ(フィリピン)だ。
井上は以前から統一選を希望し、20年4月25日にはラスベガスでの対戦が決定。ところが、新型コロナの感染拡大の影響を受けて中止に。その後、カシメロは昨年8月に防衛戦を予定していたが、ドーピング検査拒否を示唆したとして、対戦相手のWBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)からキャンセルされてしまう。さらに12月の指名挑戦者であるポール・バトラー(英)戦では、計量前日に現れずドタキャン。本人はウイルス性胃腸炎によるものだと主張しているが、本当の理由は体重超過とも言われている。
トラブルメーカーとなってしまったライバルに井上も「一気にコイツへの興味がなくなった。減量苦で胃腸炎て…ダセェ奴だ」と呆れた様子でツイッターに投稿。しかも、そのカシメロにはいま、新たな問題が報じられている。
「性犯罪の加害者として告発されたんです。昨年6月、母国フィリピンで未成年の女性に性的虐待をはたらいたと米スポーツ専門局(ESPN)など複数の海外メディアが報じています」(スポーツジャーナリスト)
中止となっていたバトラーとの防衛戦が4月22日に仕切り直しされると発表されたばかりが、よもやの事態で本当に開催されるかはいまのところ不透明な状況だ。
「海外では有名アスリートによる同様のトラブルは多く、今年2月にはサッカー元ブラジル代表のロビーニョも集団での性的暴行の罪で禁固9年の有罪判決を受けています。カシメロ陣営は身の潔白を訴えていますが、もし有罪となれば王座剥奪どころでは済まず、ライセンス停止やボクシング界追放もありえますね」(同)
リング外でKO寸前と追い込まれたカシメロ。井上との統一選はやはり遠いのかもしれない。