「箱根駅伝」を10倍楽しむ“激走データ”【2】國學院大の「激坂最速王」とは

 國學院大は、駒大と青学の2強体制に風穴を開ける。出雲、全日本ともに4位と、箱根常連校から強豪校にステップアップ。とりわけ注目すべきは、最終学年を迎えた山のスペシャリスト2人。

「11月の『激坂最速王決定戦2021@ターンパイク箱根』という『仮想5区』とも呼ばれるレースで、学生トップを記録した殿地琢朗(4年)が5区。続く山下りには、2年連続で6区を経験し、区間8位から4位に順位を上げた島﨑慎愛(4年)が控える。島﨑は3月の『日本学生ハーフマラソン』で3位に入り、学生の五輪にあたる『ワールドユニバーシティゲームズ』の代表に内定した実力者。序盤で出遅れても山上り、山下りでの巻き返しに期待できます」(M高史氏)

 今季は20年から続く「2カ年計画」のクライマックス。各学年の強者たちが集結した。

「山の巧者2人に加えて、藤木宏太(4年)と中西大翔(3年)の28分10秒台コンビ、元乃木坂46衛藤美彩を姉に持つ木付琳(4年)は、3位に大躍進した前々回の箱根メンバー。全日本の長距離区間8区で区間賞を獲得した伊地知賢造(2年)や、167センチ43キロと体つきは華奢でも出雲駅伝でアンカーを託された平林清澄(1年)もいる。史上最強と言われるチームだけに、駒大OBで〝大八木イズム〟の系譜を受け継ぐ前田康弘監督(43)の檄にも力が入りそう」(スポーツ紙デスク)

 さて、前回総合3位の東洋大には、スーパー1年生の石田洸介が加入した。

「プロ野球で例えるなら、競合ドラフト1位の大型新人です。中学・高校時代から天才ランナーとして名を馳せ、当時の学生記録を次々と更新。出雲5区、全日本4区で区間賞を獲得し、大学長距離界でも通用することを証明しました。新ヒーロー誕生の予感大です」(M高史氏)

 スポットライトを浴びるのは新入生だけではない。主将の宮下隼人(4年)は、「4代目山の神」候補に名乗りを上げる。

「前々回の5区で区間賞、前回はタイムを2分も落としながら区間3位と結果を残した。下級生の頃から山道で結果を残してきた歴代の山の神と遜色ない経歴です。坂の傾斜が最大になる難関・宮ノ下でも脚力が落ちないのが宮下の魅力。國學院大の殿地、創価大の三上雄太(4年)とのデッドヒートが予想されます」(スポーツライター)

 箱根路では東洋大の「鉄紺リレー」から目が離せそうにない。

*【3】につづく

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