巨人は20日、日本ハムの中田翔をトレードで獲得することを発表した。まさに電撃的移籍となったが、「無期限謹慎と試合出場停止」処分中の放出には疑問の声もある。ファン、そしてチームを裏切る暴力行為を引き起こした背景には、どんな「本性」が隠されていたのか。「週刊アサヒ芸能」8月26日号の特集を、ここに全文掲載する。
8月11日、中田翔(32)が同4日に開催されたDeNAとのエキシビションマッチの試合前、同僚選手に対し暴行を加えたことが明らかになり、球界に衝撃が走った。スポーツ紙デスクが唇を震わせる。
「侍ジャパンの活躍に水を差さないよう、五輪終了後のこのタイミングでの発表となったようです。被害を受けたのは中堅投手の井口和朋(27)。今季は新型コロナ感染での離脱期間もありましたが、現在、防御率1.76と結果を残している貴重な中継ぎです」
DeNA関係者が明かす。
「試合中に一塁側ベンチで何か騒ぎが起きていたのは丸わかりで、気になっていたんです。その後に伝わってきた話では、中田がいきなり井口に殴りかかり、壁にガーンと背中を押し付けたところで周りの選手が止めに入る状況だったそうです」
当然、すぐにチーム関係者の知るところとなり、同日の試合で中田は1回の第1打席でタイムリーを放ったにもかかわらず、1回終了時で途中交代を命じられたのだ。
「試合後、栗山英樹監督(60)は囲み取材で『いろいろあるな。困っちゃうな』と漏らしており、何やら意味深でしたが、発表を受けて納得しました。川村浩二球団社長(60)が処分発表会見で『本来はチームの中で懇意な2人だったと聞いている』と言っていたように、もともとの関係性は悪くなかった。中田がちょっかいをかけて、井口がいじられ役でした」(スポーツ紙デスク)
井口自身は日頃から穏やかな性格で、中田の逆鱗に触れる言動があったとすれば、よほど腹に据えかねる事態でも起きたのか。川村球団社長いわく「中田選手は強く後悔して『全面的に自分が悪い』と発言し、被害を受けた選手に当日謝罪もしている」。中田は7月30日に第4子が誕生し、球団を通じて〈これまで以上に一生懸命野球に取り組み、活躍している姿を見せたいと思います〉と明かしていた矢先。それだけに、自らの発言を裏切る最低の暴力行為だったと言えるだろう。
また、今季の中田は打率2割以下と成績が低迷していただけでなく、「奇行」も目立っていた。トラブルは、少なくとも「2回目」だ。
「4月にもベンチ裏で転倒したとして、右目に驚くほどの青あざを作っていた。大不振の腹いせのためベンチ裏でバットを折るなど大暴れした際にできたものだとされましたが、どう見ても転んだだけのあざではなく、ピンポイントで目が腫れていた。荒れた中田に対してものを言える選手はおらず、憶測で小笠原道大ヘッド(47)の制裁説も出たほど。栗山監督は激怒し『ケガしてどうするんだって話だよ! 責任を果たしてないだろ!』と声を荒らげていました。チームを引っ張るどころか、直情的で空回りし、逆に雰囲気を悪化させるばかりになっていた」(スポーツ紙デスク)
ただ、こうした「瞬間湯沸かし器」の性格は、今に始まったことではなかった。
*「週刊アサヒ芸能」8月26日号より。【後編】につづく