中田の粗暴な素顔を球団関係者が明かす。
「そもそも、高校時代から『1学年上の先輩をボコボコにして乾燥機にぶち込んだ』という武勇伝が流れていて、獲得希望だった4球団が将来のトラブルを危惧してドラフト直前で回避したと言われます。若手時代、3年先輩の鵜久森淳志(34)=引退=と試合後の道具の片づけを巡って口論となり『お前、殺すぞ!』と大声を上げた鵜久森に『殺せるもんなら殺してみい!』と応戦したのも有名な話。若い頃なら『ヤンチャ』で済まされたかもしれませんが、今は子供もいる32歳ですからね‥‥」
一部では後輩の面倒見も良く親分肌の中田を擁護する声もあるが、いかにも昭和のスポ根的な「鉄拳制裁」が、とっくに時代にそぐわなくなっていることは明白だ。今回、被害者の井口が「大ごとにしたくない」と申し出たとされるが、球団側は事態を重く見て内々で処理するだけでなく、中田の暴力行為を公表した。これを「中田放出」に向けた布石と見る向きは、少なくなかった。球界関係者も半ばサジを投げた格好で、
「昨年を含め打点王を3度獲得した中田ですが、それも近藤健介(28)や西川遥輝(29)ら上位打線の高い出塁率に支えられたものだとして、球団の評価はそれほど高くない。打率は常に2割5分以下で今季推定年俸は3億4000万円ですから、球団的には実は数年前から切りたくて仕方がない選手だった。ただ、引き取り先は多くない。阪神の金本知憲監督(53)時代にFA移籍がまとまりかけたが、突然の金本監督解雇で頓挫しました。かつてコーチと選手として師弟関係にあった福良淳一オリックス・バファローズGM兼チーム編成部長(61)の監督時代にオリックスへトレードを打診したこともあったが、素行面から門前払いされました。今後、移籍があるとすれば、スキャンダルに寛容で和製大砲がいない中日くらいじゃないか」
いずれにせよ、〝お山の大将〟の前途は暗たんとしている。
今後については、こんな話も浮上しているが、
「実は今、BCリーグの栃木ゴールデンブレーブスが中田に接触しています。栃木を運営する『エイジェック』社の社長は、かねてから中田と交流があるといいます。本人に連絡を取り『いざとなったらうちに来い』と話しているそうです。栃木にはNPB時代にオフの自主練習を一緒にしていた大阪桐蔭の先輩・西岡剛(37)も在籍していますしね」(球界関係者)
このままでは日本ハムからの追放危機は免れず、「引退」の2文字すらちらつく状況だ。わずかな光明は、栗山監督の後任に就任が既定路線の、侍ジャパン・稲葉篤紀監督(49)の存在しかない。
「稲葉監督は現役時代、新人の頃から中田を技術面、精神面で面倒を見てきた人物です。不振になれば、口だけでなく自ら手本を見せる形でつきっきりの指導をして、中田も心酔してきた。今年3月にもキャンプを視察して『もう一度代表入りできるように頑張れ』と檄を飛ばしており、師弟の絆はまだ切れていない」(球団関係者)
結局、巨人へのトレードというどんでん返しが待っていたわけだが、球界の主砲が、再び輝く日は来るのか─。
*「週刊アサヒ芸能」8月26日号より