東京五輪の‶試金石〟サッカー・ユーロ、コパアメリカでコロナ蔓延!

 サッカーのヨーロッパ大陸NO.1を決める「ユーロ」が6月11日に開幕、同じく南米一を決める「コパアメリカ」も6月14日に開幕して、それぞれ7月12日、7月10日に大会を終えるまで約1カ月にわたって熱戦が繰り広げられている。

「ヨーロッパと南米でNo.1のワールドスポーツであるサッカーのコロナ禍での大規模国際大会とあって、コロナ感染を防ぎながらどう大会を運営するか。そして実際はどうなるのか。東京五輪の大きな試金石とされていました。ともに昨年開催のはずの予定を1年後ろにずらし、ユーロでは準決勝・決勝が行われるイングランドのウェンブリー・スタジアムを除いては、開催地をヨーロッパの11都市に分散するというやり方を採用。コパアメリカは本来はアルゼンチンとコロンビアで共同開催される予定でしたが両ホスト国が放棄した結果、もともと感染拡大が治まらないブラジルに開幕2週間前を切った段階で決まり、反対論が大きい中での半ば強引な開催となりました」(スポーツジャーナリスト)

 では、心配される感染拡大はどうなったかと言えば、当然のことながら拡大した。

「コパアメリカでは開幕から1週間経った6月21日段階で、選手や大会関係者の140名からPCR検査で陽性反応が出たと主催者側から公表されました。ただ大会3日目時点で、選手や審判のほか関係先の従業員などのPCR検査で1.7%だった陽性率は0.9%に低下し、むしろ『関係者』に関しては徹底した閉鎖と隔離を行ういわゆる『バブル方式』が功を奏しているように見えます。一方、関係者でないファンの間での感染拡大問題がユーロで露呈していて、スコットランドではスタジオ観戦や渡航で2000人がコロナに感染、フィンランドでも300人の感染が確認されたと伝えられています」(前出・ジャーナリスト)

 スコットランドが大きな国際舞台の本大会に進出したのは1998年のフランスワールドカップ以来とあって、その熱狂がコロナの脅威を吹き飛ばしてしまったようだ。フィンランドも主要国際舞台への進出は初で、事情は同じ。だが、まだ自国内での感染拡大で苦しむなら良いが、スコットランドの2000人の約3分の2が対イングランド戦が行われたロンドンに移動し、フィンランドの300人もロシアのサンクトペテルブルクに遠征した3000人のうちの感染者数で、数百人単位で外国にウイルスを持ち込んでいるから厄介だ。

 コロナ災禍の下、スポーツの大規模国際大会を行うとどうなるのか。おおよその数字が判明するのは両大会が終了してしばらく経ってからだろう。そしてその結果がよく分からないまま、その10日ちょっと後には東京五輪が開催される。

(猫間滋)

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