オリックスの新星・宮城大弥、僧侶ヘッドで「神様、仏様…」の御利益は?

 オリックスの新星左腕・宮城大弥投手がハーラー単独トップに立つ9勝目をあげ、チームも「40勝リーグ一番乗り」を決めた(7月4日)。この宮城とエース・山本由伸が勝利数と防御率のタイトルを争っており、これがチームの好調さにもつながっているようだ。

 9勝目をあげた埼玉西武戦では、自己最長タイの8回を投げ、失点2。しかし、中嶋聡監督を始め、首脳陣の評価は“イマイチ”だったという。

「試合後、宮城は『押せ押せで行った』と話していたように、気持ちで投げ続けました。その強い気持ちを持ち続けたことが勝因でもありますが」(地元メディア関係者)

 奇しくも、宮城の前回登板の対戦相手も埼玉西武だった。同試合も勝利をおさめているが、5回で降板している。

「今、宮城の人気が急上昇しており、プラス面しか報じられていません。前回の6月27日の登板に関しては、連続四球を出すなど苦しい場面もありました」(同前)

 試合後、宮城は首脳陣に外角一辺倒だった“逃げのピッチング”を叱責されたという。中嶋監督も「弱気になるところを直さないと…」と、注文をつけていたそうだ。

 その意味では走者を背負った場面でも内角をしっかり攻めた4日のマウンドは“及第点”である。それでも首脳陣が厳しいことを言うのは慢心を防ぐためであり、「まだ伸びしろがある」との意味だろう。

「宮城は長髪もバッサリ切っています。チャラチャラするなと言われたみたい」(在阪記者)

 謙虚さが好調のヒケツなのかもしれない。前回は勝利したものの、悔しい気持ちを抱えたまま一週間を過ごしたそうだ。また、オリックス球団は「神様、仏様、宮城様」と記したTシャツも販売。連勝記録20を持つ往年の大投手・稲尾和久氏にあやかったものである。また宮城の丸刈りをイメージした「丸刈リータピザ」も京セラドームで発売するという。

「オリックスは首位争いを繰り広げていますが、8勝目を挙げた前回登板では、チームは11連勝後に3戦勝ちナシでイヤな雰囲気も漂っていました」(同前)

 中嶋監督も宮城をチームを代表するスター投手として大きく育てようとしている。9勝1敗、リーグトップの高い勝率を誇る19歳の神通力に頼る場面は今後も続きそうだ。頭を短く刈り込んだ宮城は、まるで僧侶のよう。「神様、仏様」のTシャツがミョ~に引き立っている。

(スポーツライター・飯山満)

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