交流戦終了まもなく、最速161キロのセットアッパー・国吉佑樹(29)=元DeNA=と〝加藤バズーカ〟の異名を持つ捕手・加藤匠馬(29)=元中日=をトレードで獲得したのはロッテ。オフにメジャーに移籍した澤村拓一のいまだ埋まらなかった穴と、ケガで長期離脱中の正捕手・田村龍弘(27)の補填として獲得した。
「とりわけ、田村の不在は痛かったです。代役を務めた佐藤都志也(23)や柿沼友哉(28)はリードが単調すぎて、他球団のスコアラーに配球を読まれていた。加藤の加入でバッテリー問題が解決すればいいのですが、正捕手不在の状況でボコボコに打ち込まれた美馬学(34)からすれば、すでに遅きに失したということでしょう」(パ関係者)
6月5日のDeNA戦で5回13安打11失点、12日の巨人戦で2回3分の0を10安打10失点という大惨事。2試合連続2桁失点は球界史上ワースト記録の樹立だった。
「カウント有利なら内角、追い込んだら外角のスライダーという一辺倒なリードでした。確かに美馬のコントロールミスもありましたが、2桁失点するまで見せしめのように交代は許されなかった。井口資仁監督(46)が、美馬を見放したともっぱらです。表向きは再調整名目のファーム落ちですが、かつての涌井秀章(34)のように一度干されたら再浮上は難しいというお家芸でしょう。その涌井はみずから希望して楽天に出て昨年、劇的な復活を遂げました。先のトレードでは、2軍で干されて今季は1軍に呼ばれなかった有吉優樹(30)がDeNAに放出されましたが、ひょっとすると‥‥」(スポーツ紙デスク)
三顧の礼で加入したFA選手も一寸先は闇である。
美馬と違って、こちらは名誉記録。球界の開幕無失点記録を更新し続けるのは西武・平良海馬(21)だが、気がかりなのは、登板過多による故障の発生だ。
「常に試合数の半分近くは登板しています。そのため肩を酷使しない知恵として、ブルペンでは6~7球しか投げず、先頭バッターは投球練習の延長線上と位置づけて投げている。先頭を出してしまいがちですが、2人目からはギアを上げて抑えています。しかも、最速160キロという直球の割合を減らし、変化球でかわす投球を心がけている。それでも全球クイックという投法が効いて、ランナーは走れません。東京五輪でも大車輪の活躍が期待されますが、それだけに普段とは違うルーティンで調子を崩さないか、ハラハラしています」(球界関係者)
交流戦を境にシーズンの流れが変わるかと思ったら、目の前には五輪も迫る。今シーズンは、最後まで地殻変動が起こる予感がするのだが‥‥。
*「週刊アサヒ芸能」7月1日号より