5年にわたる〝外様王国〟が崩壊したロッテには、一足早い春が訪れていた。
「井口資仁前監督(47)と鳥越裕介2軍監督(51)のタッグに引っかき回されてチームはボロボロ。それが吉井理人監督(57)の手腕で息を吹き返すはずです。将来的には福浦和也ヘッドコーチ(46)に禅譲する流れですが、佐々木朗希(20)をあと2年で圧倒的エースとして完成させる『5カ年計画』の総仕上げを託された形です。井口前監督と育成方針で揉めて現場から離れましたが、水面下では球団幹部と会食を重ね、佐々木を含む若手投手の育成計画をプレゼンしていたといいます」(スポーツ紙デスク)
早くも新監督就任の効果は現れているようで、
「シーズン終盤の井口前監督はほとんど選手とコミュニケーションがなかったが、吉井監督に代わって選手と監督の距離は近くなりました。きっと、派閥のない協調路線を築き上げるでしょう。さっそく、二木康太(27)が免除されている秋季練習に志願するなど活気がチーム内に醸成されています」(スポーツ紙デスク)
同じく松井稼頭央新監督(47)の誕生でチームの風通しがよくなるのは西武だろう。
「常にホームゲームの三塁側ベンチで、カメラ寄りの定位置を辻発彦前監督(64)が陣取っていました。能面さながらの仏頂面を恐れて、主力たちはみな反対側に座っていた。その風景をテレビによく抜かれるので、さすがにマズいと思った当時ヘッドの松井氏が、平石洋介打撃コーチ(42)を監督側に寄せて、わざと3ショットで作戦を練っている画を作っていたんです。晴れて来季からは野球のみに集中できるでしょう」(球界関係者)
続いて、2年連続でリーグ優勝を果たしたオリックス。輝かしい光があれば、影もまたそれだけ深いようだ。
「中垣征一郎巡回ヘッドコーチ(52)に選手たちは辟易しています。米国で学んだトレーニング理論は一流ですが、主力選手の投球や打撃にも口出しをして煙たがられている。昨オフに排斥する動きがありましたが、昵懇の中嶋聡監督(53)が『中垣をクビにするなら俺も辞める』と言い出して、反対に追い出そうと主導したコーチがクビになりました。中には、そりが合わなくて干される選手も現れる始末です。先だって育成落ちを打診されていた2年目の中川颯(24)は、中垣コーチと揉めて2軍に幽閉された1人。しまいには、練習に顔を出さない日も増えました」(球団関係者)
日本シリーズで相対するヤクルトにも、チーム状態に反して彷徨うエース候補がいる。
「奥川恭伸(21)が近くトミー・ジョン手術を受けるそうです。昨年9勝を挙げながら、今季は3月に1試合だけ登板してファーム暮らし。今季の早い段階で手術を勧められていましたが、ヒジにメスを入れるのに抵抗があったらしく、ギリギリまで別の治療法を探していた。結果、来季中の復帰も絶望的となりました」(スポーツ紙デスク)
まさに天国と地獄が隣り合わせのプロ野球界なのである。
*週刊アサヒ芸能11月3日号掲載