ロッテ・佐々木朗希を振り向かせた同期捕手・佐藤都志也の「率いる力」

 千葉ロッテ・佐々木朗希が9月2日のオリックス戦に先発する。雨天などで先発ローテーションが変わらなければ、“侍ジャパンのエース”山本由伸との投げ合いになる。しかし、見どころはそれだけではない。前回登板と同様、女房役のキャッチャーは佐藤都志也となりそうだ。

「松川虎生が右肩を痛めているせいもありますが、佐々木と佐藤は同期入団です。佐藤と組んだときは松川とは違った一面も見せてくれました」(スポーツ紙記者)

 佐藤と組んだ8月26日(楽天戦)は7回を投げ、被安打3、失点ゼロ、8奪三振で8勝目をマークした。同試合後、佐々木は「しっかりリードしてくれて、思い切り投げることができた」と、同期で4歳年上の兄貴分を立てていた。

 松川のリードがおぼつかないという意味ではないが、佐藤は他捕手にはない一面を秘めていた。

「大学時代までキャプテンを務めてきました。味方投手を安心させる“人間力”のようなものは持っています」(球界関係者)

 前回26日の試合前のことだ。ブルペンで佐々木の投球を受けていた際、フォークボールを何度か後逸してしまった。

 バッテリーを組むのは初めてではない。だが、佐々木のフォークは150キロ近い球速が出るため、“感覚”が鈍っていたという。

「試合本番ではしっかり止めていました。また、対戦した楽天打線がボールを見極める作戦に出ると、佐々木が普段はあまり投げないカーブを織りまぜるなどし、ウィニングショットを次々と変えていました」(前出・同)

 試合に入ってからの判断、直感、18歳の松川にはまだできないオトナのリードである。

 昨年5月19日の同カードで、佐藤は山本から適時打を放ち、バットでチームを勝利に導いている。

「佐藤は『打てる捕手』と期待されています」(前出・スポーツ紙記者)

 井口資仁監督の佐藤起用の狙いはこちらにもあるのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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