タレントの渡辺直美が4月から、活動拠点をアメリカに移した。ビヨンセなどが提携している米国の3大エージェンシーのひとつである「ICMパートナーズ」、大手モデルエージェンシー「IMG Models」の2社と契約。日本発の最強エンターテイナーは、日本のレギュラー番組すべてを卒業して移住する潔さだ。
インスタグラムのフォロワー数は、日本人最多の940万人超え。200万人を超える「いいね」が付くことが珍しくない。“世界のナオミ”は芸人の枠を超えたパフォーマー。ブランドプロデュースも多く手掛ける。
今年、ウィメンズブランド「リトルサニーバイト」のデザイナー・YOPPYと立ち上げたのは「テン(10)」。2人が出会って今年で10周年という意味合いもある。店舗を構えるまでにはなっていないが、ネット通販では完売商品が相次ぐ。
即完になる下地は多くあった。14年に、オリジナルブランド「プニュズ(PUNYUS)」を始動。ポップなデザインと豊富なサイズ展開が魅力的で、ぽっちゃり女子がおしゃれを楽しむきっかけを与えた。インフルエンサーとしての知名度が買われた19年には、「ケイトスペードニューヨーク」のグローバルアンバサダーに就任。翌20年には、メイク映えカラーコンタクト「N’s COLLECTION」をプロデュースした。
プロデュース業で頭角を現したのは渡辺だけではない。20年4月、ファッションブランド「EXIEEE(イグジー)」を始動させたのは大人気コンビのEXITだ。
「執筆業もはじめた兼近大樹、美容系アイコンになりつつあるりんたろー。は意識高い系芸人。EXIEEEはファッションブランド『WEGO(ウィゴー)』の傘下ブランドで、売り上げも悪くないようです。今年は、カバンで有名な『LeSportsac』とコラボしたバッグ『イグレスポット』もデザインしています」(女性ファッション誌編集者)
フォーリンラブのバービーもプロデュースで成功を収めた。昨年、女性用アンダーウェアメーカー「ピーチ・ジョン(PEACH JOHN)」とコラボレーションコレクションを発表したが、今年2月17日に第2弾を発売した。
ふくよかで豊かな胸の持ち主であるバービーの実体験と、ユーザーからのアンケート、悩み相談などを商品に落とし込んだ良品は多種類ある。「クイーンブラ シチリアの風に吹かれて」シリーズは、胸のボリュームごとにパッドの厚さを変えた。ほかにも、胸の渓谷の深さを変化させる「さらふわ」シリーズ、表側と肌側の二層の生地が別々に伸び、体の動きにフィットする「解き放たれる」シリーズなどがあり、女性の立場に立ったアイテムが多い。
渡辺、EXIT、バービー。共通しているのは時代の半歩先を行く鋭い嗅覚。芸人のこだわりを捨てたことで大成した勝ち組といえよう。
(北村ともこ)