「パパさん探してます」「来週サポ希望」「条件良い方優先です」
コロナ禍による不況下、生活苦によってパパ活に走る女子が急増しており、SNSやマッチングアプリではパパを募集する旨の隠語が飛び交っている。
つい先日の3月24日も、「タワーレコード川崎店」公式ツイッターで、《来週募集してます 飲んでるんでそのままで平気です 横浜辺り。条件DM下さい》と誤投稿され話題となったばかりだ。投稿文中の《飲んでるんでそのままで平気です》は、「避妊薬を飲んでいるのでナマ奉仕OK」という意味の隠語でもある。個人用アカウントで投稿するつもりが、誤って企業用アカウントでつぶやいてしまったと見られている。
パパ活には、大きく「性交渉アリ」「性交渉ナシ」の2種類のタイプがある。どちらも男性が女性に対してサービスの対価を支払うことは共通しているが、前者は春を売る行為であり、後者は肉体関係なしでデートなどを行うというものだ。
では、海外でも日本と同じようにパパ活文化は存在するのだろうか。国内外の性産業事情に詳しいライターはこう解説する。
「まず、性交渉アリのパパ活に関していえば、どこの国にも存在します。むしろ欧米では、性的サービスがなければ水商売の女性に対価を支払う価値がないとする風潮が根強い。一方で、性交渉ナシのパパ活については、シュガーベビー(男性からの支援を受けながら夢を追う女性)という言葉もありますが、日本のパパ活女子とは若干ニュアンスが異なります。本来のシュガーベビーの意味は、ドラマや小説に出てくるようなジェントルなパトロンから支援を受ける女性を指す言葉。日本のように、デートの対価としてお金をもらうパパ活女子とは一線を画します」
前出のライターによれば、特に欧米では日本のようなパパ活ビジネスが生まれる土壌がないという。
「ドイツをはじめヨーロッパ社会では、日本のように〝若い〟という理由だけで女性がチヤホヤされることはありません。もちろんどこの国にも〝若い女性が好き〟という男性もいますが、そうした感情を前面に出せない社会文化があります。もし年の差カップルが街中を歩いていたら、〝あの男は金にモノを言わせて若い女をはべらせている〟と見られてしまう可能性もありますからね。海外でも日本独自のパパ活文化は報じられていますが、『デートしただけで男が金を払うなんて馬鹿げている』と世界中から冷笑されているでしょう」
しかし、マッチングアプリを覗くと、日本でパパ活する外国人女性もわずかながらいるようだ。2年ほど前から日本で暮らしているアメリカ人女性のエイミーさん(仮名、26歳)が、両国の違いについてこう語る。
「アメリカにも、経済的に苦しい女性がパトロンを探すために利用するマッチングアプリがあり、多額の学費を抱えている女子大生らが登録しています。しかし、何の見返りもなしに支援してくれるほどお人好しなジェントルマンなどいるはずもなく、そこで出会った男性と対価を受け取る代わりに肉体関係を持ちます。しかし、日本ではデートして好きな物を買ってもらい好きなものを食べて、それでいてさらにお金まで貰える。万が一体を求められても〝NO!〟といえばすぐに諦めてくれる。この国は稼ぎたい女性にとって天国ですね」
需要と供給がマッチしている限り、今後も日本ではパパ活ビジネスが廃れることはないのかもしれない。
(橋爪けいすけ)