東京ヤクルトスワローズが日本ハムを自由契約となった宮台康平投手(25)にオファーを出していることが分かった。宮台といえば、東京大学出身の左腕で、12球団合同トライアウト(12月7日)で評価を上げた一人だが、その戦力外通達には“含み”もあった。
「宮台に来季の契約を結ばない旨が通達されたとき、同時に『育成契約』が打診されました。同じように戦力外を通達された他の日本ハム選手は育成での出直しを決めました」(スポーツ紙記者)
育成契約がイヤだったのか、宮台は「可能性があるのなら」と、日本ハム退団を選択した。もっとも、育成選手登録を経験した球界OBに聞くと、支配下と育成では一軍戦に出場できないなどの線引き、給料面での格差はあるが、ファーム戦や練習において不公平なところは一切ないという。
一部報道によれば、「東京ヤクルトのオファーは支配下」とのこと。宮台の希望は叶えられそうだが、“遠回り”も悪くないようだ。こんな評価も聞かれた。
「宮台に関しては、少しずつだけど、毎年投げ方が変わっているとの印象を持っています。学生時代に肩を故障したこともあり、肩に無理な負荷を掛けない投球フォームを模索し、ようやく形になってきたと思います」(プロ野球解説者)
宮台はルーキーイヤーだった2018年、プロ初先発のマウンドを踏んだが、勝ち星を挙げることはできなかった。その後、股関節を故障しているが、これこそが肩を痛めた投手の宿命だという。下半身を使い切れていない投手は肩を痛める。肩の怪我防止のため、バランスの良い投球フォームを習得しようとするが、下半身を意識しすぎるあまり、自身の筋肉量では耐えきれないほどの負荷をかけてしまい、下半身を故障するそうだ。
宮台は下半身主導で自身に適した投球フォームをようやく見出しつつある。
「ドラフト候補だった07年、野球メディアの取材に『国家公務員をめざし、東大に入学した』と話していました」(アマチュア野球担当記者)
何しろ赤門の卒業生なので、一般企業への転身は他のプロ選手に比べて容易かもしれない。支配下にこだわるのは“プロ野球選手であることのプライド”だろう。長く現役を続けるためにも、自身に適した投球フォームをトコトンまで追求するのも悪くないと思うが…。
(スポーツライター・飯山満)