球界の盟主・巨人軍が2年連続での惨敗だ。昨季と同カードとなったプロ野球の日本シリーズにて巨人がソフトバンクに0勝4敗の屈辱。プロ野球史上で初となる、2年連続でのスイープとなったのである。
この結果を受けて野球ファンの間では、パ・リーグとセ・リーグの実力差について言及する声が増大。それに伴って、かつて巨人が受けたとされる屈辱のセリフについての議論が再燃しているというのだ。
「89年シーズンの日本シリーズでは巨人が近鉄バファローズを相手に3連敗からの4連勝という大逆転で日本一に。その3敗目は東京ドームでの完封負けでしたが、その際に近鉄の先発だった加藤哲郎投手が『巨人はロッテより弱い』と発言し、これに巨人が発奮したと伝えられています。しかし試合後のインタビュー映像で加藤投手はロッテについて言及しておらず、その発言は都市伝説に過ぎないというのが現在の定説。ところが今回の巨人惨敗を受けて、当時の試合を見ていたファンの間から《加藤がたしかにそう発言したのを見た!》という証言が続出しているのです」(スポーツライター)
この「ロッテより弱い」発言については、試合後の囲み会見にて記者から「ロッテのほうが怖いですか?」と訊かれた加藤投手が「そうですね」と返したことが、大げさに書き立てられたとの説明がなされている。だが近鉄ファンを中心に、加藤投手自身がそう発言した場面を覚えているとの声が少なくないというのである。
「加藤投手の発言は試合後の球場内で行われたインタビューではなく、屋内の一室に近鉄の選手を呼び込んでのインタビュー取材の場だったとか。そのなかで加藤投手が巨人の印象について『ロッテより弱いっすよ』と言い放ったシーンを明確に覚えているという声が、近鉄ファン以外の野球ファンからも数多くあがっているのです。しかも巨人ファンがその発言に対して《ふざけんな!》と激昂していたとの証言もあり、いわゆる“記憶のすり替え”にしては多くのファンが同じ場面を覚えているというのが、なんとも面妖ですね」(前出・スポーツライター)
31年前の出来事とは言え、89年には家庭用ビデオデッキの普及率が63.7%にものぼっており、日本シリーズを録画していた人も多いはず。加藤投手の発言は試合中継のなかではなく、その後のスポーツ番組で発せられた可能性もある。これで加藤投手の「ロッテより弱い」発言の映像が発見されたら、プロ野球の歴史を塗り替える一大エピソードとなりそうだ。
(北野大知)