メジャーリーグがフリーエージェントになった選手リストを公表した(10月28日/現地時間)。日本のファンの注目は田中将大投手だが、NPBの渉外担当者が獲得に「興味アリ!」と注視する“未完の大器”もリストに記載されていた。2014年8月、レッドソックスと7年総額7250万ドルの大型契約を交わしたルスネイ・カスティーヨだ。出場機会に飢えているだけに、NPB入りも十分にあり得るという。
「メジャーリーグの試合に出たのは、16年の9試合が最後。以後、年俸1000万ドル強(約12億円)のマイナーリーガーとして、悶々とした日々を過ごしてきました」(特派記者)
カスティーヨは13年WBCのキューバ代表候補だった右打ちのスラッガーだ。その後、ドミニカ共和国を経て亡命し、28球団の争奪戦の末、レッドソックスと契約した。
途中参加の14年は36打数12安打、2本塁打と活躍したが、その後は怪我もあり、チャンスには恵まれなかった。
「いや、チャンスに恵まれなかった理由は怪我ではありません。贅沢税のせいですよ。レッドソックスは連続してMLBの定めた総年俸額のラインを超えているので、彼をメジャーリーガー登録の40人枠に入れたら課徴金が増えてしまいます。15年以降は控え外野手だったので、課徴金を押さえ込むため、40人枠から外し、マイナーから昇格させなかったんです」(前出・特派記者)
堅守の外野守備は他球団も認めていた。しかし、トレードとなれば、レッドソックスと交わした7年契約を引き継ぐことになるので、どの球団も二の足を踏んだ。また、バッティングたが、どちらかというと、ライナー性の打球やゴロヒットの多いタイプで、「フライボール革命が…」という“飛距離争いの米球界の時流”にも合わなかったようだ。
「性格は温厚で、味方の好プレーにもベンチから拍手を贈る選手です。弱点を挙げるとすれば、初球から打ちに行くこと」(米国人ライター)
米球界はコロナ禍で経営難に陥っている。苦しいのは日本球界も同じだが、“贅沢税”といった実力以外の縛りを受ける米球界には固執しないとの見方もされているそうだ。
「正当なレギュラー争いが約束されるかどうかで、移籍先が決まると思います」(前出・米国人ライター)
巨人のパーラ、阪神のボーアよりは活躍しそうだが…。33歳、日本の渉外担当者もカスティーヨの身辺調査を進めているのではないだろうか。
(スポーツライター・飯山満)