米・メジャーリーグ(MLB)カブスの今永昇太投手が、9試合に登板して防御率がなんと0.84にまで到達した。先発としてデビューから9試合でのこの防御率は、防御率が公式記録となった1913年以降、最高であるとMLB公式SNSが伝えている。
今永はDeNA時代、「打線の援護がないという言い訳は防御率0点台の投手だけが言えること」とコメントしていた。ここ数試合打線の援護がないだけに、この言葉を胸を張って使える立場になったというわけだ。
今季のMLBではドジャースの大谷翔平、山本由伸の超弩級契約ばかりが話題になっていたが、開幕前から今永の好成績を予想していた人物がいる。元DeNA監督のアレックス・ラミレス氏だ。
「ラミレスさんは監督就任1年目のドラフトで、当時大学野球で左肩を故障していた今永の単独指名にこだわった。MLB開幕前にも、怪我さえなければ12勝できると、自身のYouTubeで断言していたんです」(DeNA担当記者)
確信の理由は、ラミレス氏がDeNA時代に今永に指示した投球術にあるという。
「ホームの横浜スタジアムはMLBの球場と比較しても狭い。そこでラミレスさんは監督時代、今永に対しインコースの高めにコントロールできるボールを磨けと、徹底的に指示していました。MLB移籍1年目、まさにそれが活きているわけです」(前出・担当記者)
今永自身はこの活躍に「(自分が出している)数字は想像以上。でも本当のところは紙一重の勝負どころをたまたま拾っているだけ」と謙遜している。しかし、ここまで防御率3点台とまずまずの成績を収めている山本由伸との決定的な違いは、今永のほうがインハイのストレートを決め球として使える点だ。
試合中、主審からボール受け取る際に必ず「一礼」をする姿に、現地では好感度も急上昇中。あとは味方打線の援護を待つだけだ。
(小田龍司)