“新体制”を迎えるための準備は思うように進んでいないのかもしれない。
横浜DeNAは10月20日からの中日とのカードで3連敗を喫した。3位阪神とのゲーム差は広がる一方で、Aクラス入りが厳しくなってきた。気になるのはアレックス・ラミレス監督の進退問題で、一部メディアは後任人事について「三浦大輔二軍監督で一本化」とも伝えていた。
「解任の一報が伝えられたのは、10月6日。以後、とくにチームの成績が悪くなったわけではないし、続投の可能性も残されています。『三浦監督』は切り札です。そのときは優勝しなければならないし、今のチーム状況を考えると、誰か別の人をワンポイントで挟むかもしれません」(スポーツ紙記者)
DeNAが球界に参入したのは、2012年。「5年以内に優勝」の目標を掲げたが、それはまだ果たされていない。同時に、「三浦体制にすぐに舵を切れない」事情も見えてきた。エースナンバー、「18番」の後継者問題だ。
「18番は『準永久欠番』という扱いになっています。継承するのに相応しいピッチャーが育ったら、球団と三浦二軍監督で話し合ってから譲る段取りになっていました」(球団関係者)
三浦政権の誕生前に後継者を育てることが、「5年以内の優勝」同様、球団の目標でもあった。三浦二軍監督の現役時代を彷彿させる先発タイプの右腕が望ましいが、チームを牽引し、なおかつファンにエースとして認知された投手なら左投手でも構わないという。
「18番の後継者問題が出てこないということは、球団は投手陣に物足りなさを感じているのかもしれません。こういう状態で三浦二軍監督にバトンを渡しても…」(前出・球団関係者)
18番を背負った監督というのも、賛否両論がありそうだ。
また、DeNAは今オフ、外国人選手に翻弄されられそうだ。オースティンが1年契約で、2018、19年の本塁打王・ソトの契約も今シーズンで満了となり、同じく、救援のパットン、エスコバーの契約も切れる。すでに「他球団が彼らに熱視線を送っている」なんて情報も流れている。新政権誕生ならば、多少の予算オーバーとなっても、優良外国人選手は絶対に引き止めなければならない。
「いや、クローザーの山崎康晃のほうが心配です。チームは復活を信じていますが、26日のドラフトではクローザータイプの投手を上位で獲ることが決まったそうです」(ベテラン記者)
18番の継承者問題、外国人選手の残留交渉、クローザー問題…。三浦体制となった際、チームが万全のスタートを切れるよう、DeNAは慎重に判断しなければならないだろう。
(スポーツライター・飯山満)