「関西テレビの怒りは相当なものでしょう。同局の番組ホームページには、番組終了の告知メッセージが掲載されていますが、本来ならば司会の上沼さんへのねぎらいの言葉があってしかるべき。ところが、そこには《1000回を超える放送を続けることができたのはひとえに視聴者の皆さまに応援していただいたおかげです》と、まるで上沼さんの功績など存在しなかったかのよう。両者の遺恨の深さを物語っています」(在阪テレビ関係者)
今まさに“西の女帝”こと上沼恵美子が、テレビ業界では異例とも言える信じられない騒動の渦中にいる。
1995年に放送が開始され、長年にわたり高視聴率を稼ぎ続けていた人気トーク番組「怪傑えみちゃんねる」(関西テレビ)が、7月24日の放送をもって突如、最終回を迎えた。一部メディアでは、番組サイドの要望に対して上沼が激怒し、降板を申し出たのが、唐突すぎる番組終了の原因とも囁かれている。
6月には、番組レギュラーだったキングコングの梶原が降板する騒動があったばかり。一連のこの騒動について、関西で活動する放送作家のA氏は、上沼と番組スタッフ側との間で大きな確執が生じていたと推測する。
「最終回を観る限りでは、番組スタッフが上沼さんに怒りを持っていたことは事実でしょうね。放送のあちこちに、上沼さんの好感度を下げようという策略が見て取れましたから。いわば“上沼潰し”の印象操作を狙った編集が行われたと言っても過言ではありません」
A氏によると、最終回の冒頭で上沼が「私、(番組のトーク)総集編を観たら、怒ってばっかりやね。怒ってる場面をくっつけるから……」と、早々に番組スタッフへの不満を吐露する場面を放送。また、上沼が話し終える前に、ゲストに招かれていた“クセメン俳優”の坂口涼太郎が強引にトークに割り込み、上沼が眉間を寄せて表情を曇らせる様子もバッチリとオンエアされていた。ふだんならこうした上沼のイメージにマイナスとなるようなシーンは上手にカットされていたそうだ。
極めつけは番組最後の“お別れメッセージ”だ。過去の思い出深い映像を流すことなく、《25年間という長きにわたって『快傑えみちゃんねる』を1000回を超えて続けることができたのは支えてくださった視聴者の皆さまのおかげです》というテロップが流れただけで、上沼本人から番組終了について語られることなく、長い番組の歴史に終止符を打った。
「最終回なんだから少しは、メモリアル感のある企画があっても良いと思うんです。それもなしに、定型文のような感謝メッセージ。あまりにも冷たい印象を視聴者に与えてしまう演出だと思いました」(前出・A氏)
長寿番組とはいえ、関西ローカルのトーク番組がここまで全国的な注目を集めるのは極めて異例のことかもしれない。
「一部スポーツ紙では、上沼さんと番組サイドとの話し合いの中で『辞めてやる』とブチ切れて、番組終了が決定的になったと報じられています。その中で、決裂の要因になったのが、スタジオに観客を入れるかどうか。コロナ禍によって、しばらく“無観客”で収録していましたが、上沼さんのルーツは漫才師ですから、どうしても観客を入れてほしかったようです。局側としてもそんなムチャな要求を飲むわけにもいかず、交渉決裂にいたったとか。上沼さんが過去の映像使用に難色を示したことから、総集編でしのぐわけにもいかず、結局、31日の放送は坂上忍さん司会の番組で穴埋めすることになり、局はスポンサーへの事情説明と釈明に追われていると聞きますし、こんな騒動が明るみに出ては、他の局も『それではうちで上沼さんの新番組を』とはならないでしょうね」(在阪テレビ関係者)
まさに「上沼の乱」とも言えるこの降板騒動。番組の中枢にいるスタッフでなければ取得できないようなミーティングの情報までもが筒抜けとなっていることからも、関西テレビは上沼との全面対決に挑む覚悟があると窺い知れる。いちばん悲しんでいるのは、長年にわたって応援し続けた番組のファンに他ならない。
(近田ラリー)