「ええ加減にせぇーよ!」たむらけんじの“引退危機”を救った超大物とは?

 芸人・たむらけんじは、今や世間のバッシングを恐れない論客タレントとして脚光を浴びている。特に関西圏ではその傾向が顕著で、関西ローカルを中心に、テレビのレギュラー番組を9本持ち、そのうち4本がマジメな情報番組。ときには怒りに満ちた表情で強いコメントを言い放つ、芸人らしからぬ振る舞いも関西の人々にとっては、もはやおなじみの光景となっている。4月20日に、マスクを着用せずにジョギングする人を目撃し、「アホランナーええ加減にせぇーよ!マスクなしで走りたいんやったらお前の家の中走りまくっとけ!」と、Twitter上の暴言で怒りをぶちまけたのも、論客タレントとしての片鱗と言えるだろう。

 その変貌ぶりについて、在阪のテレビ関係者の多くが困惑していると話す。そのなかの一人であるテレビ制作者が語る。

「芸歴が30年近くあって実業家としても成功されているので、現場のディレクターやプロデューサーは、戦々恐々としていますね。ちょっとでも無理なお願いをしたり間違ったことを言ったりすれば、機嫌を損ねるんじゃないかと。だから、視聴者を刺激するような過激な発言を控えてほしいと思っても伝えられないという場面もあるんです。みんな、いつ大失言をするんだろうと、ハラハラしていますよ」

 関西では敵なしの“たむら無双”状態を食い止めようと、テレビ制作者の間では、とある人物の現場復帰が待望されているという。80年代から90年代にかけ、関西発のヒット番組を数多く手掛け、上岡龍太郎、島田紳助、笑福亭鶴瓶、桂ざこばといった大物タレントからも信頼が厚い、関西業界人では知らない者はいない大物放送作家のH氏だ。現在は、後進の育成に力を注ぎ、現場の一線から退いているこの人物こそ、たむらに忠告ができる唯一の人物と言われている。その理由について、前出のテレビ制作者が話す。

「たむらさんがブレイクするきっかけを作ったのがHさん。今から15年ほど前、焼肉店を経営していた奥さんの父親から店を継ぐように説得され、売れない日々が続いていたたむらさんは芸人を辞めて店の経営に専念しようと思っていたそうなんです。その時、Hさんが『別に辞めることはない。焼肉屋をネタにせえ!ほんで、毎週俺がやってる番組に見学に来い!ほんなら売れる!』とアドバイスしたらしいです」

 このアドバイスを聞いたたむらは、H氏が担当していた関西ローカル番組「せやねん!」(MBS毎日放送/土曜9時25分~)の収録を毎週見学。ギャラが出るわけでもないのにスタジオの片隅で収録を見学する姿を、勉強熱心と評価した司会のトミーズ雅から「来てるんやったら、出演せえよ」と声を掛けられ、出演を重ねる中で番組レギュラーを獲得。同時に、焼肉屋経営も積極的にネタにしていく。芸人仲間から「ちゃんとした牛肉使ってんの?」「偽装?」などとイジられても大歓迎。店舗での番組ロケも快く受け入れ、芸人として着実に売れっ子の道を歩んでいった。

「Hさんのアドバイスがあったから、たむらさんの今の活躍があると思いますね。店の経営も軌道にのり、気付けば10店舗近くを運営する立派な実業家。当然、たむらさんもHさんのことを大恩人として感謝していると聞いています」(前出・テレビ制作者)

 同じ吉本興業の先輩であるナイナイ岡村隆史がやらかした“大失言”の二の舞を踏まないためにも、H氏の現場復帰が求められるのも当然かもしれない。

(近田ラリー)

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