年の瀬の12月13日、「auスマートパス presents落合博満スペシャルトークショー」が品川インターシティホールで開催された。ファンは球界への〝オレ流毒舌〟に期待を膨らませていたが、早々に話の腰を折る展開で‥‥。
「野球の試合を1試合しか見ていないからよくわかりません」
司会者から19年のプロ野球シーズンについて質問された落合博満氏(66)は、開口一番、「落合節」を披露。会場に集まった約800人のファンの笑いを誘った。一見、期待どおりのぶっきらぼうな口ぶりで会場を盛り上げたかのように映ったが、今回ばかりは少し勝手が違うようだ。スポーツ紙記者が解説する。
「この直前に名古屋のラジオ番組に出演した落合さんの発言に、古巣から非難の声が殺到しているんです。番組内で、中日が7年連続でBクラスに低迷する理由を問われて、『練習が足りない、負けるってことは、してないってこと』と断言。さらには『俺たちの頃は選手よりも首脳陣が悔しがっていた。(与田監督は)何も考えてないんだろうな』と首脳陣批判とも取れる発言をぶっちゃけたんです」
ちょっと待ってくれ。落合氏が19年に観戦した試合は、本人の白状によれば、解説を務めた6月16日のロッテ対中日戦の1試合のみ。ろくに試合を見ていないのに講釈を垂れているのだ。
「『試合を見ていないお前に何がわかる!?』と『お前騒動』が球団内で再燃。その模様が一部でも報道されたので、プロ野球の論評に及び腰になり、カミングアウトしたのかもしれません」(スポーツ紙記者)
しかし、トークショーが進むごとに従来の雄弁さを取り戻していく。
ソフトバンクへの移籍が予想されていたバレンティン(35)=12月16日に正式決定=に話が及ぶと、
「ヤクルトには『俺が投げる時はバレンティンを外野の守備から外してくれ』と言う外国人の抑え投手がいた」
と、今やメジャーで活躍するかつての助っ人右腕・バーネット(36)との確執を暴露しつつ、守備力の不安からレフトではなくDHが主戦場になると予想する。
「ホームランもそれなりの数字を打つだろう。ただ、ソフトバンクにはデスパイネ(33)がいる。DHの選手が2人いた時にベンチがどのように考えるか。そこが契約をモタモタさせているところなんじゃないの」
あくまでもDHでの起用に固執する落合氏だが、20年から外国人枠を外れるバレンティンにポジションを脅かされるのは、むしろ、日本人選手だと、スポーツ紙記者は反論する。
「いちばん割りを食うのは、今季ファーストでゴールデングラブ賞を獲得した内川聖一(37)でしょう。来季は、バレンティンの加入で外野からあぶれた中村晃(30)と一塁で併用するプランが濃厚です」
最低30発は計算できる日本人扱いの助っ人なら、多少の守備の不出来くらい大目に見るのでは、というのだ。