「2020箱根駅伝」を20倍楽しむ裏ガイド(3)ナイキシューズ愛用者が急増

 大八木監督といえば、あの「男だろ!」という選手への鼓舞もインパクト大だった。今年はどんな大八木節が飛び出すか。

「今回は往路に注目です。國學院・前田康弘監督は大八木監督の教え子。『往路優勝』を目標に掲げているので、残り1キロポイントで『教え子には負けられねえんだ!』みたいな檄が飛ぶかも」(スポーツライター)

 ここで知っておきたいのが、「監督車」とも呼ばれる運営管理車の助手席にドーンと構える、監督からの声かけポイントだ。

 どこでも指示を出せるわけではなく、6区の下りでは残り1キロポイントの1回のみ。他の9区間は7回のチャンスがある。スタートから1、3、5、10、15キロ地点と残り1キロ地点、さらに2、9、10区は20キロ地点、他の6区間は残り3キロ地点と細かく分かれている。

「交通事情によっては見送られるケースもあるが、この地点をチェックすれば、新たな『名言』を聞く機会があるかも。東洋大・酒井俊幸監督の有名な『白バイ、もっと前に!』を沿道のファンがまねて叫ぶシーンなんかも見受けられるかもしれませんし(笑)」(スポーツ紙デスク)

 今回の箱根路は、野太い監督の檄だけでなく、ランナーのシューズにも注目が集まりそうだ。激戦となった出雲のエース区間では、青学大・吉田(圭)、東海大・塩澤、駒澤大の田澤、國學院大・浦野、そして東洋大・相澤の5人が鮮やかなピンク色のシューズで上位争いを繰り広げた。

「ナイキの『ズームXヴェイパーフライネクスト%』という、最新モデルのマラソンシューズです。17年に発表されて以来、カーボンファイバーソールの反発によって楽にスピードに乗れると好評で、今年のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)代表選考会では男子30人のおよそ半数が着用して、トップ7人を独占。日本だけでなく、世界のトップランナーたちも愛用している」(スポーツ紙デスク)

 前大会でも、東洋大が全ランナー、東海大や東京国際大、国士舘大の半数以上の選手が着用していたという。

「前回まで10人中9人がアディダスだった青学でさえ、ナイキ愛用者が一気に増えた。中には『監督から着用を指示された』というケースも。すでにライバルメーカーもカーボンプレート入りのシューズの試作に着手していて、独自の新作が待ち遠しいかぎりです」(スポーツライター)

 競技の外でもさまざまな興味が高まる2日間。ぜひ20倍楽しく観戦したい。

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