箱根の山登りまでのたすきリレーにも、激烈な見どころがある。
「注目は駒大・田澤廉(1年)と青学の岸本大紀(1年)ですね。田澤は出雲3区で東洋のエース・相澤を相手に2位、全日本のエース区間7区で区間賞と、大物ぶりを見せつけた。一方の岸本も、出雲2区で区間賞。大物ルーキーの直接対決が実現するならば、4区が有力です」(佐藤氏)
田澤の登用は、各校のエースがぶつかる「花の2区」との噂もあるが‥‥。
「駒大・大八木弘明監督は『1区と2区は上級生で』と話しているので、3区か4区の起用でしょう。青学の岸本は、原監督が『将来の青学の大エース。神野や一色恭志と比べても、1年の消化率ではナンバーワン』とベタボメ。ただし『復路で逆転して総合優勝』という青写真を描いているので、岸本を復路で起用する可能性も。どちらにしても、大物ルーキーが東海大の連覇阻止のカギを握っています」(スポーツ紙デスク)
追われる東海大は、前回のVメンバーが8人残り、ここまでの調整もうまくいき順調に仕上がっている。
「2019年は、両角速監督の『世界で戦える選手育成』の下、初の海外合宿を行った。それも春・夏の2回、米国のアリゾナで高地トレーニングに取り組んでいます。全日本では3年の西田、塩澤稀夕、名取燎太の3本柱で快勝。両角監督も飛車角抜きで勝てた、と話すほどの手応えをつかんでいた」(スポーツライター)
今大会は、東海大・両角監督と青学大・原監督による「同級生対決」も注目ポイントだ。
「箱根駅伝の名物イベント『監督バトルトーク』では、両者が舌戦を展開。原監督が恒例の作戦名を『やっぱり大作戦』と発表。その意図を解説すると、両角監督は『(青学大に)やっぱりダメだったね、と言わせたい』とツッコんでいました。両者は以前からその手腕でもしのぎを削っています。東海が米国合宿なら、青学は新エースの吉田圭太(3年)と神林勇太(3年)が学業で5カ月間のニュージーランド留学を敢行、月間700キロの自主トレで一回り成長した。原監督が合宿所で選手と一緒に暮らして彼女談議をする関係を築けば、両角監督は20キロ近く痩せるほど選手とランニングして、会話を重ねてきた」(スポーツライター)
本番に向け、指揮官と精鋭10人のコミュニケーションはバッチリというところか。
「ONE TEAM」という点でいえば、前回総合3位の東洋大と4位の駒澤大もまた、意気が上がる。
「東京五輪マラソン代表の中村匠吾(27)は駒大OB、服部勇馬(26)は東洋OBだけに、両校とも自然と練習に熱が入っている。特に駒大の雰囲気が変わりました。大八木監督はコワモテで知られますが、合宿所の食堂には、中村君が男泣きした大八木監督に抱きつかれ、てれて戸惑っている写真が貼られていて、『いい写真じゃないですか』と選手からいじられています(笑)。『監督の下で練習を積めば間違いない』という雰囲気が流れている」(スポーツ紙デスク)