窪田正孝が2020年春の連続テレビ小説「エール」(NHK)の主演に決定し、ヒロインは誰かと早くも話題沸騰中だ。
当初、朝ドラは放送期間1年で始まったが、75年以後は「おしん」(83年)と「君の名は」(91年)を除き、春開始の前期が東京制作、秋スタートの後期が大阪制作という半年サイクルになった。視聴率は2000年代に平均10%台に落ち込んだが、「ゲゲゲの女房」(10年)で復調の兆しが見え、「あまちゃん」(13年)が社会的ブームになったことで、以降は20%前後の安定した視聴率を稼いでいる。
2000〜2009年までの10年間で大阪制作の朝ドラに主演した女優の出身地を見ると、大阪・京都・兵庫など関西圏の出身者は「だんだん」(08年)の三倉茉奈・佳奈など5組。対して視聴率が回復していった2010年以降の10年間は、「カーネーション」(11年)の尾野真千子(奈良県)と、今年後期の「スカーレット」に主演する戸田恵梨香(兵庫県)の2人だけ。大阪制作の作品は関西を舞台にしたものが多いため、ネイティブな主演女優が必須となりそうだが、近年はそうでもないようだ。
「そもそも大阪に住んでいても、若い世代はいわゆる“コテコテの関西弁”をあまり使わないんです。テレビドラマ史を振り返ると、毎日放送制作の『番頭はんと丁稚どん』(59〜61年・テレ朝系)、関西テレビ制作の『どてらい男』(73〜75年・フジ系)など、大阪文化を前面に出した作品が人気を集めた時代がありましたが、題材は関西でも、登場する人物の印象は関西に寄せすぎないのが今の主流です。現在放送中の『まんぷく』も、イントネーションは関西系ながら、話すスピードや単語の選び方までが全国にわかるような配慮とアレンジがなされています。それが、ここ10年で全国的に安定した視聴率を獲得している要因の一つでもあると言えます」(芸能ライター)
その傾向は今後も続くだろうが、この辺で“コテコテの関西弁”をまくし立てるエネルギッシュなヒロインの活躍も見てみたい気もするが、いかがだろう。