連ドラ女優「ギャラ泥棒」ワーストランキングの対象は、全話の平均視聴率が出ている昨年の夏ドラマから今年の春ドラマまでの1年間。平均視聴率を主演女優、ヒロイン女優の1話分のギャラで割り、1%を獲得するのに費やされる〝ムダ金度〟を算出した。もちろん単純に測れるものではなく、ひとつの判断基準と捉えていただきたい。
それを踏まえた上で、不名誉ランクの頂点に輝いたのは綾瀬はるか(37)だった。今春に満を持して臨んだ〝月9〟初主演作品「元彼の遺言状」が平均視聴率9.1%と苦戦し、泥棒指数32.96と唯一の30オーバー。割高感が際立つ結果となったのである。
同作については脚本の不出来を指摘する意見がインターネット上で散見され、綾瀬に同情的な見方もある。とはいえ、それを高視聴率に導くのが高額ギャラを誇る人気女優たる所以ではないのか。
「ここ10年ほど、綾瀬は民放では日テレ、TBSしか出演していませんでした。150万〜200万円というギャラ相場からフジが倍増させる形で招聘したと言われます」(ドラマ関係者)
結果、不名誉な戴冠になるとは‥‥。
3位に「ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○」で主演を務めた黒木華(32)がランクインした。
黒木にとってフジ系ドラマ初主演作であり、放送前から注目度は高かった。しかし、蓋を開けてみれば視聴率は低空飛行を続け、泥棒指数も23.33と高値を付けたのだ。芸能ジャーナリストの平田昇二氏が語る。
「14年にベルリン国際映画祭最優秀女優賞も獲得している黒木は演技力に定評があり、主演した連ドラでも『凪のお暇』や『重版出来!』(いずれもTBS系)、『みをつくし料理帖』(NHK)などで及第点以上の数字を取ってきただけに、今作の苦戦は制作サイドも想定外だったでしょう。これまでの実績に応じてギャラも上がってきたことで〝お得感〟は減り、次作以降が今後の女優人生を占う正念場となりそうです」
4位には、近年ともに古巣の大手芸能事務所から独立を果たした柴咲コウ(40)と上野樹里(36)の2人が入った。
柴咲は「インビジブル」で主演の高橋一生とバディを組む謎の犯罪コーディネーターを演じたが、視聴率は大苦戦。ドラマ事情に詳しいライターの張本茂雄氏が指摘する。
「この作品は米ドラマ『ブラックリスト』の主演の2人の男女の設定を替えただけ、というパクリ疑惑が浮上していましたよね。まあ、柴咲としては久々に主演級の役を貰ったわけで、仮に設定が似ているなと思ったとしても断る道理はなく、騒動は柴咲的に〝貰い事故〟だったかもしれません」
パクリ疑惑の真相は藪の中だが、制作サイドとしては、ヒロインとはいえ主演クラスのギャラを貰っている柴咲の人気でもう少し視聴率を何とかしてほしかったというのが本音だろう。
「確かに柴咲は、ギャラで揉めることがあるほど、交渉がしっかりしていますからね。ドラマ以外の予算が少ない番組でも、けっこうな額を提示されることもあったといいます」(民放局プロデューサー)
一方で、「持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜」に主演した上野には同情的な意見も。
「同作は体調不良で降板した戸田恵梨香(33)のために企画段階から準備されており、急遽の代役としては及第点の数字ではないでしょうか」(テレビ誌ライター)
(女優編2につづく)
*「週刊アサヒ芸能」8月4日号掲載