現在、首位を快走中の阪神タイガース。驚くべきことに、阪神球団は1年目の藤川球児監督について、この時期に異例とも言える「3年契約の保証」を発表した。
球団オーナーの秦雅夫氏は、「よほどのことがない限り、2027年まで契約を全うしてもらう」と明言。これにより、藤川監督は少なくとも3年間、指揮を執ることが確定した。阪神担当記者も「この時期に長期契約を保証するのは、球団史上でも異例中の異例」と話す。
44歳の藤川監督は、若さと勢いに加え、理路整然とした采配でチームを好調に導いている。特に、メディアやOBとの“距離感”が特徴的だ。
「藤川監督は、試合前にOBや解説者との雑談もほとんど行わない。これは過去の阪神指揮官のなかでは異例のスタンスです」(球団関係者)
岡田彰布前監督は、OBたちとフルオープンで接していたが、その結果、内部情報の流出や派閥抗争の火種となることもあった。ある阪神OBは、「藤川監督のクローズドな姿勢は、逆にチーム内の結束や情報管理にはプラス。だからこそ、オーナーも高く評価している」と分析する。
藤川監督のスタイルは、過去の“お家騒動”を封じる新たなチーム運営方針と一致している。OBの圧力やフロントとの軋轢を回避し、選手との信頼関係を重視したマネジメントは、今後の「阪神長期政権」への布石とも言える。
7月19日からは、東京ドームで宿敵・巨人との3連戦が控えており、ここで勝ち越せば一気に独走ムードが強まるだろう。
(小田龍司)