米ファーストフード大手の「マクドナルド」が11月3日、スティーブ・イースターブルック最高経営責任者(CEO)を解任したと発表した。理由はなんと、従業員と「合意に基づく関係」を持ったことが社内規定に違反したためとされ、合意の上での関係でも解任されるアメリカの企業規定に驚きの声が上がっている。
「彼はすでに妻と離婚していますが、従業員と関係を持っていたのが離婚前なのか後なのかは、明らかになっていません。しかし、関係が不貞に該当するか否かは問題ではなく、マクドナルドには幹部と部下が親密な関係になることを禁じる規定があり、合意であろうが関係を持ってしまったこと自体が問題視されたと思われます」(経済誌記者)
イースターブルック氏は社員らに宛てたメールの中で、従業員と関係を持ち社内規定に違反したことを認め、「過ちだった」と説明。「マクドナルドの価値基準に基づき、自分は次の場所へと動く時期だ」と、役員会の判断に合意したことも明らかにしているが、これが瞬く間に話題となった日本のSNSでは、《お互いが合意して恋愛関係に発展してもダメなのか?》《こんな社内規定は日本じゃ考えられない》とした声が溢れた。
「しかしアメリカでは、昨年6月にも同様の規定によって当時の半導体大手インテルのCEOも辞任に追い込まれています。向こうでは、上司と部下が親密な関係になることによって業務に支障を及ぼす可能性があるとして、個人的な接触を禁止する会社も少なくありません。今となっては、職場恋愛から性的ハラスメントを告発する『#MeToo』運動が活発化しており、特にマクドナルドでは昨年5月にも女性従業員10人が勤務中にセクハラを受けたとして提訴。同9月にも店舗でハラスメントが蔓延しているにも関わらず会社の対策が不十分だとして10都市でストライキが勃発するなど、セクハラ問題に頭を悩ませています。そうしたこともあり、イースターブルック氏には一発レッドカードが出たものと思われます」(経済ジャーナリスト)
こうした波は、いずれ日本にもやって来るかもしれない。
(小林洋三)