米マクドナルドで集団食中毒が発生したことで、ブルームバーグによるとアメリカ国内で急速な客離れが起きていることが明らかとなった。今回の対応への批判があがり、さらに客数が減少していく可能性も指摘されていて、日本への影響を懸念する声も出ている。
「アメリカCDC=疾病対策センターは、コロラド州など10州でクォーターパウンダーを食べた少なくとも49人が腸管出血性大腸菌O157に感染し、うち高齢者1人が死亡したと発表しています。米マクドナルドが行った調査では商品に使われているタマネギが食中毒の原因だったとみられていますが、今後も患者の数が増える可能性もあり、関係当局は調査を続けるとしています」(フリージャーナリスト)
ブルームバーグが報じたところによれば、この影響で全米で客足が減少しており、特に食中毒が発生した州で大きな落ち込みとなっていて、感染者が最多だったコロラド州では10月25日に前年比で33%も客数が減少したという。
今回の件で米マクドナルドは国内の2割ほどの店舗でクォーターパウンダーの販売を中止しているが、27日には感染源がパティでないことが判明したとして、タマネギ抜きでの販売を再開すると発表。まだ完全に発生源が特定できていない中での販売再開を疑問視する声もあがっている。
「米マクドナルドはそもそもインフレの影響から来客数が減少傾向にあり、苦肉の策として低価格セットの5ドルメニューを導入するなど厳しい状況にありました。そんな中で死者を出す食中毒事件を起こしたことで先行きはかなり不安になったと言えるでしょう。マクドナルドは、2027年までに世界で5万店舗展開を目指すという壮大な計画を発表していますが、今後の風向きによっては方針を転換せざるを得ないかもしれません。そうなれば、日本にも影響が出てくる可能性もあるのではないでしょうか」(経済ライター)
日本マクドナルドは相次ぐ値上げの中でも過去最高益を記録するなど業績は好調だ。今回の事件について同社は「すべて国内調達のため商品に影響はありません」とすぐに不安を打ち消したが、アメリカの食中毒事件が水を差すようなことにならなければいいが…。
(小林洋三)