2023年、中東とインド、パキスタンを舞台に誕生した新しいプロ野球リーグ「ベースボール・ユナイテッド」。これまで日本のメディアが取り上げることはほとんどなかったが、TBSのスポーツドキュメント番組「バース・デイ」が4月25日、5月2日、6月13日の計3回にわたって放送。番組はユーチューブでも配信され、大きな反響を呼んだ。
ソフトバンクやロッテ、くふうハヤテでプレーし、先日MLBマリナーズの特任コーチ兼コンサルタントに就任した福田秀平氏が2月に3試合限定の契約ながら同リーグに参戦。ドバイが本拠地のアラビア・ウルブスの一員としてプレーしている。
他にも日本人では元楽天・DeNAの濱矢廣大投手、元DeNAで227試合の登板経験を持つ平田真吾投手もアブダビ・ファルコンズでプレー。さらに入団は辞退したが元阪神の福永春吾投手も24年にカラチ・モナークスから9巡目(全体68位)で指名されている。また元ヤクルトのハフ、18年から4シーズン阪神に在籍したマルテなど日本球界でプレー経験を持つ外国人選手も複数いる。
「選手の3分の1はMLB経験者ですが、日本や韓国、台湾以外のアジアをはじめ、アフリカや欧州など野球がマイナースポーツの国の選手も多いのが特徴です。リーグも中東と南アジアを拠点にしていますし、野球未開の地域を新たなマーケットに取り込もうとする本気度が伺えます」(スポーツ紙記者)
番組では日本人向けのトライアウトの開催を告知。プロジェクトリーダーにソフトバンクやMLBで活躍した川崎宗則氏が就任したことを発表したが、やはり気になるのは同リーグへの現役NPB選手の参戦だ。日本や米国がシーズンオフになる時期にリーグが開催されるため、日程的な障害は少ないからだ。
「冬場、海外リーグに若手選手を派遣する球団はあります。ただし、得点が2倍になるマネーボール打席、試合中に何度も出場できる代走専門のDランナーなどエンタメ性が強めのルールで敬遠される可能性が高い。むしろ、引退や戦力外になった元NPB選手の参加のほうが現実的でしょう。すでにプレーしている選手も複数いるわけですから」(同)
いずれにせよベースボール・ユナイテッドはまだ始まったばかり。ネームバリューや実績十分の大物選手の参戦に期待したい。
※写真は、ベースボール・ユナイテッド公式Xより