イオンは6月6日から都市部を中心に全国約600店舗で、アメリカ・カリフォルニア産の「カルローズ米」を発売する。
カルローズ米100%の新ブランド「かろやか」は、国産米に比べて粘り気が控えめなため、リゾットやパラパラに仕上げたいピラフ、チャーハンなどに最適だという。価格は4キロで2894円(税込み、以下同)。コメ価格の高騰で買い控えが進む中、同社は「新たな選択肢を提供していきたい」としている。
1袋4キロという容量について同社は、「イオンでは2017年から4キロでのコメの販売を行っている」と説明。確かにこの容量なら冷蔵庫や食品庫に収まりやすく、使い切りやすいというメリットもある。一方で、従来の5キロパックに慣れ親しんだ消費者からは《なぜ5キロにしないのか》との声も上がっている。
また、4キロで2894円という価格は、一見割安に思えるものの、5キロ換算では約3618円となり、本来の値で言えば国産銘柄と同等かそれ以上の水準に達する。消費者からも、《4キロパックでは割安感が伝わりにくい》《5キロで買ったほうがまだお得では》という意見が散見された。
発売発表会にはジョージ・グラス米国大使も出席し、「日本の厳しい品質基準をクリアしたカルローズ米は、認められれば世界市場でも高く評価されるだろう」と期待を寄せた。しかし、リーズナブル感が突き抜けてないない以上、消費者が手を伸ばしにくいジレンマがあるのも否めない。
国内米の枠を超えた新たな食文化として提案されたアメリカ産米だが、実質的なコストパフォーマンスやパッケージ設計に対する一部消費者の疑問は残ってしまった。果たして、「新たな選択肢」として受け入れられるか。
(ケン高田)