飛行機の座席で到着後の時間が変わる?前方と後方の差と空港別の影響

 日本ではプロペラ機を除き、基本的に出入口が前方左側のドアになっている飛行機。ただし、搭乗時同様に、着陸後、機外に出るのも当然ながら時間を要する。では、前方と後方ではどの程度の時間差が生じるのだろうか?

 機材の大きさや乗客数によっても異なるが、小型機でなければ10~15分程度。発着数がそれほど多くない地方空港であれば到着便に合わせてバスが運行。荷物を預けていた乗客が乗るのを待って出発するため、出発時間が多少遅れることも珍しくない。座席位置に関係なく基本的に同じバスになるため、こちらについては気にする必要はないだろう。

 ただ、主要空港だとバスがそうした対応を取ることはない。もちろん、鉄道が乗り入れていても定刻通りだ。

 例えば、伊丹空港はモノレールが乗り入れているが大阪市内には乗り入れておらず、乗り換えが必要で時間もかかる。そのため、中心部に向かうにはリムジンバスが人気だ。しかし、なんばにはほぼ20分おき、新大阪にはほぼ30分おきの出発で、同じ飛行機の前方座席と後部座席の乗客が同じバスに乗れるかは少々微妙なところだ。

 そして、北海道の新千歳空港は、札幌や小樽と快速エアポートで結ばれている。こちらは9~15時台が10分おきで、8時台と16~21時台が1時間に5本。そのため、飛行機の座席が後方だった場合、前方に座っていた人より1~2本後の快速になる可能性が高い。

 一方、福岡空港は乗り入れている地下鉄の本数が多く、日中はもっとも少ない時間帯でも1時間に7本。博多駅までは5分しかかからないため、影響はほとんどなさそうだ。

 もちろん、伊丹と新千歳の両空港も大きなタイムロスではないが、最終目的地までの所要時間は30分前後遅くなるかもしれない。荷物を預けるなら受け取りに時間がかかるので座席位置は気にしなくていいが、機内に持ち込む場合は前方のほうが早く行動できる。出張のビジネスマンが前方座席を好んで座るのにはそのためだ。

 ただし、上級マイル会員や予約クラスの高い運賃でなければ座席指定は有料。会社が負担してくれる出張と違って旅行などのプライベートでは迷うところだ。到着後の予定などに応じて判断するのがよさそうだ。

(高島昌俊)

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