4月24日、米政府は飛行機の欠航や遅延の際の返金を定めた新しいルールを発表。各航空会社が個々に設定していた従来の規則に比べ、利用客に手厚い内容になったことで注目を集めている。
今後は国際線が6時間以上、国内線は3時間以上の遅れ、もしくは欠航が返金対象となり、クレジットカードは7日以内、現金や特典航空券(マイル)は20日以内の返金を義務付ける。しかも、これまでのようにカウンターに並んでの面倒な手続きは不要だという。
また、乗り継ぎ便の利用時などに預け荷物の積み込みが間に合わず、経由地に残されたままのディレイバゲージ、荷物自体が行方不明となったロストバゲージについても補償。国際線は15~30時間以内、国内線は12時間以内に荷物が届かなければ料金の払い戻しが受けられる。
「天候不順などのケースを除けば、さすがに数時間単位の遅れは少ないですが、遅延そのものは近年常態化しており、利用者からの不満が高まっていました。そうした声を反映させた形です」(旅行誌編集者)
米国民からは概ね好意的に受け止められているが、ネット上には《航空会社の負担が増すのでは?》《LCCにはかなり厳しいルール》など懸念の声も挙がっている。ちなみにEU圏では「EU261法」という飛行機の遅延、欠航補償に関する法律があるが、日本には航空各社が独自に決めた規約しか存在しない。
「米国の航空会社は補償関係にシビアで評判が良くなかったため、政府がこのような対応に踏み切ったのでしょう。ただ、LCC以外の航空会社だと国によっては補償が手厚いところも多いですね。遅延や欠航で翌日以降の出発になった場合、無料でホテルと食事を用意してくれるところも珍しくありません」(同)
なお、今回の米国の新ルールは2年以内に導入される予定。まだ先のことなので海外旅行を予定している方は、各航空会社の補償内容をしっかり見極めたうえでどのエアラインにするかを決めたほうがいいかもしれない。
※写真はシカゴ・オヘア国際空港