地方の大都市が熱い!札幌・仙台・福岡に若者が集まる理由とは?

 春は進学や就職の季節。毎年多くの若者が地方から上京するが、同様に多いのが東京や大阪ではなく地方の大都市を目指す者たちだ。

 なかでも顕著なのが札幌、仙台、福岡。自治体の人口の変動がいちばん大きい4月1日、5月1日の時点での数を比較すると、札幌市が過去5年間の平均が3319人増、仙台市が3120人増、福岡市が4208人増であることが分かった。

 これは首都圏、関西圏、名古屋圏の三大都市圏を除く、中核都市では突出して多い。だが、これは今に始まったことではない。

「札幌、仙台、福岡はいずれも北海道、東北、九州における最大都市です。東京や大阪ほどでなくても何でも揃っている。彼らにとってはもっとも身近な大都市なんです」(人口問題に詳しい全国紙記者)

 また、各地方の交通網の拠点にもなっており、札幌は新千歳、丘珠の両空港から道内各地への路線が就航。JRの特急と高速バスはほとんどが札幌発着だ。これは福岡にも同じことが言え、仙台は高速バスに加え、新幹線で東北各県と結ばれている。

 そして、各都市が地方に住む若者の受け皿となっている点も影響しているようだ。調べたところ、隣接自治体と合わせた大学の数は、札幌の24校をはじめ、仙台が13校、福岡が14校と多い(※キャンパスの一部を設置する場合を含む)。

 さらに全国展開する企業は、その多くが支社を置いている。特に札幌と福岡については、現地に本社を置く上場企業の数も地方都市の中では群を抜く。

「あと、ススキノや国分町、中洲といった全国有数の歓楽街があることも大きいでしょうね。飲食店やナイトワークの求人数も多く、こちらも若い男女が集まる要因のひとつになっています」(同)

 東京や大阪という場所にそこまで大きなこだわりを持っていないなら、地方の大都市でもいいのかもしれない。

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