「カブアンドにして電気料金が高くなった!」に前澤友作氏が回答した「3つのケース」とは

「去年の10月で電気代の政府補助金が終わってますので、全体的に高くなっていて、うちだけってわけじゃないかと」

 そう説明したのは、電気やガスを使った分だけ株がもらえる「カブアンド」を昨年11月にローンチした実業家の前澤友作氏だ。

「カブアンド」は、カブ&ピース社が提供する電気、ガス、インターネット回線などの利用者が同社の未公開株を受け取ることができるサービス。未公開株ばかりが注目されているが、電気料金に関しては公式ウェブサイトで「地域の電力会社と料金がほとんど同じで、KABU&でんきには申込時や解約時の手数料はありませんので安心して乗り換えできます」と説明されている。

 ところが、乗り換え後に以前よりも電気代が高くなったという問い合わせが、同社に届いているというのだ。たしかにX上にもこのような投稿が散見される。

《中電だった昨年同時期と比較して1.7倍ぐらいになった》

《オール電化戸建てで普段の倍くらいになった》

 KABU&でんきに乗り換えて「以前より高くなった」ケースとして、前澤氏は①政府補助金が終わったことによる単価上昇(今年1月より再開)、②オール電化の場合、時間帯ごとの価格変動プランがない(夜間割引がない)ことによる価格上昇、③燃料費調整額による価格の上昇――を挙げている。

「電気料金には『燃料費調整額』という発電に要する燃料価格の変動に対応するための項目があります。その月の燃料費が基準より高ければ料金が加算され、低ければ減算されますが、地域の電力会社には上限設定があり、これを超えても燃料費調整額には反映されません。ところが電力自由化以降に参入した事業者には上限設定の決まりがない。なので2月時点で上限に達している関西電力と九州電力と比べると、『カブアンド』のみならず上限設定のない電力会社は高くなっているのです」(経済ジャーナリスト)

 燃料費調整額は電気を使った分だけかかるので、上限設定がなければ、燃料価格が上がれば上がるほど電気料金は高くなってしまう。「代わりに未公開株がもらえるから問題なし」という声も聞こえてくるが、今のところいつ上場するかは不明だ。

「カブアンド」に限らず、新しい電力会社に乗り換えたことで電気代が高くなってしまったというケースは思いのほか多い。乗り換えを検討している人は、しっかりシミュレーションして行動に移したほうがいいだろう。

(ケン高田)

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