僕たちは「被害者芸人」(4)デンジャラス・ノッチが嘆く「150万円愛車ハーレー消失」パニック

 オバマ大統領のモノマネや恐妻家でおなじみのデンジャラスのノッチ(59)。16歳からバイクに乗り、芸能界一のバイク好きを自称する。が、嫁の友美さんいわく「我が家が苦しい時から、この子だけは、手放さないように頑張ってきた」という虎の子オートバイが盗難に遭う憂き目に。

─どこで盗まれたの?

ノッチ 中野区の体育館の駐輪場で盗まれました。12年の夏、かみさんと2人乗りして、中野の「餃子の王将」にランチしに行ったんです。5年ぶりの2人乗りで、ルンルン気分で行ったのに、30分後に戻ってくるとバイクがなくって、大パニック。体育館の受付でバイクを移動していないかどうか聞いたりして、近隣を1時間かけて探し回りました。

 キーを手に握っていてすぐにバイクに乗れるのに、一向に見つからないから、結局、警察に来てもらって、現場の写真を撮ったりして「ここは私有地なので、レッカーで持っていったわけじゃなく、盗難ですね」と言われ、頭が真っ白になりました。今思えば、駐輪場の近くの横断歩道を渡った時に、怪しいグリーンの幌のトラックが止まっていたんで、つけられていたのかもしれませんね。帰りのバスの中で、「ちゃんとロックしてないからでしょ!」とかみさんに怒られて、もはや呆然自失でした。

─盗まれたのは貴重なバイクだったんですよね?

ノッチ ハーレーダビッドソンの883スポーツスター(96年製)という希少車で、中古で手に入れた時は不人気車で安かったけど、盗まれた時は取引価格が150万円ぐらいに高騰していたんじゃないかなぁ。14年間乗っていて、いい思い出が満載だったんですが‥‥。

─被害の後、周りの反応は?

ノッチ 戒めのために電車移動を1年間続けることになると、ニヤニヤ近寄って来る芸人が多くて、真剣に「なに笑ってんだ~」とキレましたよ。でも、捨てる神あれば拾う神ありというか、盗難をきっかけにバイクの試乗展示会や警察の交通安全イベントに呼ばれるようになりました。ホントに感謝です。

 さらに、ハーレーが盗まれたのに、「とんねるずのみなさんのおかげでした」のバイクツーリング企画に呼ばれ、みんなから「何でハーレーで来ないの?」と問い詰められ、「盗まれました」と答え、どっかんと笑いが起こった時は、芸人でよかったと思いましたね(笑)。

─他に記憶に残る被害害はありますか?

ノッチ 実は、性被害未遂(!?)にも‥‥。若手時代に、芸人が大勢集まる『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』の収録に泊まりで行ったんですよ。撮影現場でガダルカナル・タカさんやラッシャー板前さんから「今夜ダンカンが行くかもしれないから気をつけて。両方好きだから」「これはテレビじゃないから、絶対に言うなよ。その時は我慢してくれ」って真顔で言われたんです。我慢してくれって何なんだよーって。でも、若手が1人ずつ順番に聞かされるので、「俺も言われた」って話になり信憑性が増し、恐怖感が広がって。ヤラれないように1つの部屋に若手が集まって朝まで震えてましたよ。結局、事なきを得たんですが、翌朝7時から収録で、全然疲れが取れませんでした(笑)。今思えば、先輩らは誰のリアクションがおもしろいのかオーディションをしていたんでしょうね。

─オチオチ1人寝もしていられない! 油断もスキもないのは芸能界も同じこと!

*週刊アサヒ芸能2月6日号掲載

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