健康宅配チェックシート〈寒暖差アレルギー〉(2)体温調整機能の衰えは「首温」で補う

 症状が現れやすいのは中高年世代。その鍵を握る「体温調整機能」が年を重ねるごとに衰えてしまうからだという。

「小学生時代を振り返ってみてください。冬なのに半袖と短パンないし薄着で、公園を走り回っても平気な子もいたと思います。これは体内で熱を生み出す機能が正常に作動しているからできることなのです。ところが、シニア世代になると同じようにはいかない。例えば食事で摂取した糖質は、肝臓に吸収されてグリコーゲンとなってエネルギーとして燃焼されますが、この燃焼サイクルが加齢に伴って滞ってしまうのです」

 運動などでグリコーゲンが尽きてしまえば、体内の体脂肪を燃焼させるのが理想のエネルギーサイクル。しかしながら、こちらも加齢と共に機能しなくなる。

「グリコーゲンや体脂肪ではなく、筋肉をエネルギーとして燃焼させてしまいます。筋肉量が減れば、基礎代謝は下がってしまう。つまり体温を一定に保つことができなくなるため、寒さに弱くなるわけです。そこに自律神経の調整が難しくなることがダブルパンチで重なります」

 せめて症状が出ないようにするには、“温活”が肝要となる。

「冬場はとにかく温かい服装を心がけてください。特にシニア世代は首回りを温めるのはマスト。首元の太い動脈を温めることでたくさんの血液が体内を巡ることになり、体の内側から効率よく温まることができます。また、鼻水や鼻づまりの症状がある場合は、マスクを着用するのをお勧めします。なるべく、鼻腔内を冷やさないようにしましょう」

 そして、何よりも大事なのが自律神経を整えることなのだ。

「食事の栄養バランスを意識するのは必須。特に、神経の高ぶりを抑える『GABA』というアミノ酸が含まれるトマトやナス、“幸せホルモン”と呼ばれる『セロトニン』の原料となる『トリプトファン』が多く含まれる乳製品やバナナを積極的に食べるといいでしょう。また、あまり遅い時間帯に食事をとる習慣も改めた方がいい。きちんとエネルギーが消費されずに、体脂肪として蓄えられて体の燃焼効率を下げることになってしまいますからね」

 適度な運動もお忘れなく。

「厚生労働省の『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』によれば、『息がはずみ、汗をかく程度の運動を週合計60分』が適度な運動だと定義されています。ただし、毎週続けるのはハードルが高いと思われる方は週1回で60分を消化するのではなく、毎日5分~10分ずつでも運動をすることで持続性が生まれると思います」

 規則正しい生活を継続することが、自律神経を整える最良の薬なのだろう。

【「寒暖差アレルギー」チェックシート(10)】

セルフチェックで5点以上は注意! (9)(10)いずれかの症状があるなら近くの医療機関へGO!

(1)眠れない夜を過ごしている 1点
(2)夕食は22時以降になりがちだ 1点
(3)食欲が低下して胃腸が弱っている気がする 1点
(4)温度差のあるシチュエーションで鼻水が出がち 1点
(5)運動習慣がまったくない 1点
(6)入浴時に湯船に浸かる習慣がない 1点
(7)肌に蕁麻疹が出る 2点
(8)何だか昔より体が冷えている気がする 2点
(9)鼻水や鼻づまりがあるのに熱は出ない
(10)鼻水は出るが透明色で粘りけがない

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