10月17日のプロ野球ドラフト会議で高校生BIG2にそれぞれ何球団が手を挙げるのか、注目が集まる。両右腕ともに「12球団OK」を表明しているが、つい本音を吐露することもあったようなのだ。
夏の岩手県大会決勝、高校最速163キロを誇る佐々木朗希(17)が登板せずに大船渡は敗退し、賛否両論を生んだ。自身の出場しない甲子園では星稜・奥川恭伸(18)が躍動。3回戦の智弁和歌山戦では14回165球を投げ切り、1失点完投勝利。延長に入っても150キロを超す速球を披露し続けたものだ。
「佐々木は同試合での奥川の活躍について『悔しかった。いちばん印象に残った』と口にしていた。実は県大会での決勝不出場を悔やんでいて『投げたかった』と本音を漏らすこともある。昨今は甲子園球児の登板過多が問題視されますが、結果的に甲子園に出られなかった佐々木は、故障という不測の事態を避けることができた。他球団への見本市とならなかったことも含め、喜んだのはプロ球団でしょう」(スポーツ紙デスク)
佐々木の評価は高い水準を維持し続けた。練習や練習試合にはメジャーも含めてスカウト陣が集結。それでも、なかなか投球する姿を見せず、「空振り」するスカウトもいたようだ。そのため、こんな憶測を呼ぶことまであったという。
「スカウト陣は、特定の球団がすでに囲い込んでいて、他球団にはパフォーマンスを見せないよう根回ししているのではないかと疑心暗鬼になっていた。もちろんドラフトは抽選ですが、意中ではない球団が交渉権を引き当てた場合、入団拒否もあるのではないかと。早々に1位指名を公言した日本ハムは大船渡の監督と良好な関係を築いているというし、楽天は母親に食い込んでいるという話です」(在京球団関係者)
はたして指名重複が確実視されている、佐々木、そして奥川に意中の球団はあるのだろうか─。
実は、両者がそろって日本代表メンバーに選出された「U-18ベースボールW杯」の決戦舞台・韓国(8月30日~9月8日)で本音を言い合う姿が目撃されていた。代表関係者が明かす。
「みんなまだ10代の高校生同士ですから、仲よくなれば、他愛のない話から秘密の話までし合いますよ。ところが関西圏の学校の生徒が、佐々木の内緒話を大声で暴露したんです。佐々木はそれを関西気質ととらえたようで『西には行きたくない』とこぼしていた。それで関西より西にある球団を敬遠しているのではないかと勘繰られたのです」
ひとたびそうした話題が俎上にのれば、プロ志望の高校生たちはおもしろがって口々に言い合ったのだろう。
「そして奥川は『やっぱ中日は嫌だな』とつぶやいたんです。なんでも星稜OBからチーム環境を聞いていたそうで、『ムダに練習がきつそう』だとか(笑)」(代表関係者)
雑談の中で生まれた冗談だろうが、いずれにせよドラフト当日、2人にはどんな運命が待ち受けているのか。
「奥川の腕の使い方はゴムのような弾力があり、佐々木には竹のようなしなやかさがある。スカウトマン独特の隠語でそれぞれを『ゴム』『竹』と呼ぶチームもあるほどです。両者はそう並び称される一方で、現時点での完成度は奥川に軍配が上がっている。コメント力を持ったスター性も魅力です。素材は一級品の佐々木ですが、藤浪を持て余す阪神のように育成が不得手なチームに行っては、まだ体ができていないこともあり危惧されます。ダルビッシュ、大谷とエースを早期にメジャーに送り込んだ実績のある日本ハムとは相思相愛のようですが‥‥」(スポーツ紙デスク)
まもなく結論が出る。