12月10日からの冬の利用期間が目前に迫った青春18きっぷ。今回から期間中の任意の5日間ではなく連続して使用しなければならず、複数人で同じきっぷを利用するのもNGに。鉄道ファンのみならず、メディアからも批判の声が飛んでいるか、果たして改悪ばかりで褒めるべきポイントまったくないのだろうか?
挙げるとすれば、自動改札機を利用できるようなったこと、それと新設された3日券(1万円)の存在だろう。同じく3日間、快速・普通列車が乗り放題だった「秋の乗り放題パス」(7850円)より割高なのは否めないが、使い勝手は悪くない。
いくら鉄道好きでも、5日間乗り続けるのは中高年だと体力的にもキツいからだ。それ以前に仕事をしていると、年末年始以外で5日ものまとまった休みを取るのも難しい。
利用する側にとっても購入の段階で選択肢が増えるため、5日券ではなく3日券を選ぶ鉄道ファンも多そうだ。
ちなみに3日券だと元が取れるのは1日あたり3334円以上の区間。仮に出発が東京駅の場合、矢吹(東北本線)、植田(常磐線)、越後湯沢(上越線など)、大前(吾妻線)、茅野(中央本線)、西焼津(東海道本線)などより先ならお得なる。
だが、3日券なら初日と3日目だけ利用する形にすれば、2泊3日の旅行にも使いやすい。そうなると1日あたり5000円以上の区間が採算ラインとなる。こちらだと越河(東北本線)、原ノ町(常磐線)、保内(信越本線)、長野駅(篠ノ井線など)、十二兼(中央本線)、西小坂井(東海道本線)など。
一方、大阪駅出発だと3334円だと西阿知(山陽本線)、笠寺(東海道本線)、5000円なら浜松(東海道本線)、白市(山陽本線)より先となり、山陰方面や四国にも足を延ばせる。
せっかく青春18きっぷを買っても普通に乗車券を購入したほうが安かった、という事態は避けたいところ。それでも賢く使えば、まだまだ効率よく旅を楽しむことができそうだ。