「天才子役」“絶頂からどん底”激動人生(1)復活ライブは化粧品の匂いと加齢臭が充満

 愛くるしい笑顔、おしゃまなしぐさ、時には生意気な物言い‥‥大人顔負けの演技力で、1億総国民から脚光を浴びた天才チルドレン。しかし、光強ければまた影も濃し!  栄光の後には壮絶な運命が待っていた。シリーズ昭和13弾は生き馬の目を抜く芸能界に翻弄された天才子役の浮き沈み人生を追跡!

 まずは芸能界の子役について、芸能ジャーナリストの城下尊之氏が解説する。

「子役って売れないと、ぞんざいな扱いをされるんです。『ロケバスの中で待ってろ』とか『トイレ行きたいのに行けなかった』とか。そういうのザラにあるんですよ。でも一旦売れちゃうと、どんな駄々をこねようが、大人は文句言わないんです。使う側は、売れてるその子がいないと困るからチヤホヤする。だからおかしくなるんですよね」

「マグマ大使」のマモル少年役で一躍スターになり、アイドルグループ・フォーリーブスのメンバーとして7年連続で紅白に出場したのが江木俊夫(72)だ。

「江木は礼儀作法に厳しいジャニーズに入ったから、子役にありがちのワガママ感はなかった。グループ解散後、自分で事務所作って武田久美子を売り出した際には、愛人にしたという報道もあった。その後、99年に好意を持っていた女性の酒に覚醒剤を入れて逮捕。ちょうど髪が薄くなってきた頃でモテなくなったのが一因かも。昔の芸能人は悪いことしてる意識は少ないですよ」(城下氏)

 令和だったら一発アウトだが、02年、フォーリーブスは再結成を果たす。当時のジャニーズ幹部から聞いた真相を城下氏が語る。

「暴露本を出版した北公次がいるのに、なぜか再結成が許された。文春のキャンペーンに北が参加しないことが条件、など報道されていたが、本当は違う。4人は『再結成したい』とメリーさんのところに恐る恐る行ったんです。すると、あっさり『好きにやりなさいよ』と承諾された。実は、フォーリーブスの曲の権利を事務所が持ってなかったんです。あの時代のレコード会社の人たちは退職したり、すでに死んでしまったりして権利についてまったくわからない。メリーさんはそのことをおくびにも出さなかった」

 ちなみにジャニーズは「たのきんトリオ」あたりから、しっかり権利を把握しているという。

 さらに、城下氏は続ける。

「再結成してしばらくは踊ると息を切らしてたんだけど、ツアーしてるうちにできるようになった。江木に『痩せてカッコよくなったし、髪の毛もフサフサになりましたよね?』と聞いたら、『運動してるからね。頭はカツラだよ』と、あっけらかんと答えていました」

 太っても被りものでも、アイドルは永遠なのだ。

「復活ライブの取材に行ったら化粧品と加齢臭で会場の匂いがすごかった。再結成は2年間の予定だったけど、どこの会場も満員。儲かったから、結局09年に青山孝史が亡くなるまで続けた。新幹線で話していたら、おばちゃんたちがこっちを見てる。江木は『あれ、追っかけなんだよ。笑っちゃうよね』って」(城下氏)

 今年10月、江木は一連の性加害問題を検証する「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」(NHK)に出演し、「(ジャニー氏は)男の子を見る目が普通とは違う」としながらも、「今の自分を作ってくれた。感謝しかない」と複雑な胸の内を吐露している。

(つづく)

エンタメ