「通信抑止装置を置け」の声も…藤田菜七子を引退に追い込んだ若手騎手「スマホ依存」の深刻

 周知のように、「デジタルデトックス」とは、スマートフォンやPC、タブレットなどのデジタル機器と距離を置くことで、過度な依存から脱却することを目的とした行為を指す。今、このデジタルデトックスが最も必要なのは「騎手」ではないか。

 JRAは10月10日、藤田菜七子騎手に対する「騎乗停止」処分を発表した。藤田は、2023年4月ごろまで複数回にわたり調整ルーム居室内に、禁じられている通信機器(スマートフォン)を持ち込み、外部の人間と連絡を取っていたことが判明したのだ。

 SNS上では《菜七子、お前もか》《自覚が足りないという言葉では片付けられない》《なんですぐにバレるようなことをするんだろ》《もう一度、競馬学校に行きなおせ」などと非難囂々だ。

「騎手は、レース前にスマホなどの通信機器を預け、外部との通信をシャットアウトすることが義務づけられています。これは、八百長などの不正を防止するためで、規則を破れば騎乗停止などの重い罰則が科されます。それでも持ち込んでいたとすれば、プロ意識の欠如と言わざるを得ませんね」(JRA担当記者)

 9日には、永野猛蔵騎手と小林勝太騎手の若手2人が、2台所有するスマホのうち1台を預け、もう1台を隠し持って調整ルーム内で使用していたことが発覚したばかりだった。隠蔽工作を行う悪質性の高さに、ファンからは厳しい声が相次いだ。JRAではこの1年半弱の間に若手騎手10人が処分を受けており、調整ルームに「通信抑止装置」を設置すべきという声まで上がっている。

「運転中の『ながらスマホ』じゃありませんが、『そのうち騎乗中にスマホを手にする騎手が現れるんじゃないか』というジョークもあるほど、若手騎手は常にスマホをいじっている印象があります。これだけ違反者が続出すれば、単なる笑い話では済まされなくなりそうです」(前出・記者)

 藤田騎手は10日、JRAに引退届を提出し、JRAはこれを受理した。これ以上、若い才能が失われないためにも、一度「デジタルデトックス」を真剣に検討した方がいいかもしれない。

(ケン高田)

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