Bクラス転落も…広島・新井監督「続投」で目指す松田オーナーの悲願

 広島カープ・新井貴浩監督の来季続投が明らかになった。周知のように今季の広島は、9月にいったんは首位に立ったものの、「月間20敗」とセリーグワースト記録に並ぶ歴史的大失速を記録するなど、2年ぶりのBクラス転落というていたらくで、監督の去就が注目されていた。

「続投の理由は、松田元(はじめ)オーナーとの信頼関係にあるというのが衆目の一致するところです。『9月の失速は球団の責任』とオーナーが明言したんです」(広島担当記者)

 広島の監督契約は1年ごとという慣習もあるが、新井監督は違う。来年で監督就任3年目になる新井監督は、23年から「5年契約」を前提に結ばれているとされ、オーナーの意向によるこれだけの長期政権の保証は12球団を見渡しても広島しかない。

 広島は16年に緒方孝市監督のもと25年ぶりにセリーグ制覇を果たしている。その時は平和大通りで優勝パレードを行った。通りには31万人以上が集まり優勝を祝福したものだった。85年にオーナー代行になって以来、球団のトップを続ける松田オーナーは、選手からも「元さん」と呼ばれる関係にある。

「新井監督で再び平和大通りで優勝パレード!」

 これが、監督はもちろん、選手、スタッフ、そして松田オーナーの悲願なのである。

(小田龍司)

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