兵庫県議会に不信任を全会一致で議決され、9月30日午前0時に失職した斎藤元彦前知事。失職直後の30日朝、地元の街頭、JR須磨駅前に立たった。
9月26日に議会を解散せず、出直し知事選に出馬することを表明していた斎藤氏は自身の疑惑について主張はせず、県民にあいさつを繰り返した。取材陣に対しては「『頑張れ』という声もあれば、おそらく厳しい思いをお持ちの方もおられると思うので、自分なりに受け止めたというところです」とコメントしている。
選挙管理委員会は知事選について10月31日告示、11月17日投開票すると発表し、すでに前尼崎市長の稲村和美氏が立候補を表明。政党の推薦は受けない方針という。また医師の大澤芳清氏も共産党の推薦を受けて無所属で立候補する予定のほか、最大会派の自民党、第二会派の日本維新の会もそれぞれ独自候補の擁立を目指しており、今後、各党の動きが活発になる見通しだ。
そうした状況の中、斎藤知事の再選の可能性が気になるところだが、意外にもゼロではないという。夕刊紙記者がこう言う。
「連日メディアに叩かれていた期間はもちろん、不信任案が可決したあともメディアに多数出演。これが実質的に斎藤氏の顔と名前を売る選挙運動になっていました。選挙においては、とにかく顔が知られているということが強い。斎藤氏はしたたかにそれを計算していたと思われます。しかも今の雰囲気だと、候補者の数が増え票が分散する可能性がある。そうなると、すっかり知名度が高くなった斎藤知事にも勝機があると指摘する声もある」(同)
斎藤氏は30日、Xを更新し、須磨駅での街頭活動を報告。10月1日朝の時点で10万弱の「いいね」がついており、SNS上では支持者も少なくない。11月の出直し選挙、果たしてどうなるのか。
(鈴木十朗)