「めざまし8」被災地中継で批判殺到「話聞いてた?」「被災者に失礼」

 1月1日、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生した。能登半島の先端に位置する珠洲市と同様、大きな被害が確認されているのが輪島市。同市の観光名所「朝市通り」では火災が発生し、約200棟の店舗や住宅が炎上した。

 そんな中、1月4日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)は輪島市から中継。ふだんはスタジオでMCを務める小室瑛莉子アナが現地で被災者にインタビューを行ったのだが、スタジオの谷原章介が同じ質問を繰り返して視聴者から総ツッコミ状態となっている。

 中継映像で小室アナが紹介したのは、輪島市内で祖父母と暮らし、YouTubeチャンネル「ほっこりチャンネル」を運営する井田万祐さん。地震発生時の衝撃と避難するまでの経緯を振り返り、小室アナからこれまでの避難生活を聞かれると、「ずっと車の中で、正しい情報が入るまでは動けないような状態ですね」と語り、「ギリギリきれそうなメンタルをギリギリ保っている状態」と周辺住民の心理状態を説明した。

 その後、小室アナが「(地震から)3日目になりますけど必要なものっていうのはどんなものになるんですかね」と質問。井田さんは、車中泊をしている人や避難所の発電機を稼働させるため「ガソリンが欲しい」と回答。その他、必要なものとして、水、毛布、食料、仮設トイレの必要性を訴えた。

 そこで「谷原です」と谷原章介が割って入る。「大変な時にお声聞かせていただき、ありがとうございます。失礼します」と前置きして、「今、車中泊されているということですけども、現在困っていること、そして必要なもの、そして何が現状、変えていきたい、もしくは改善していきたい。どう思われますでしょうか?」と声をかけた。

 これに井田さんは少し間を置いて、「とりあえず物資が早く届くような状態に早くなって欲しいとは思っています」として、小さな子が避難所にいることに触れて「食べるもの、飲み物、あとはトイレの問題がでかいので、高齢の方いるんですよ。洋式タイプの仮設トイレが欲しいとか。そういうのもあるかもしれないですね」と回答した。

 谷原の質問が先の小室アナとかぶっていたため、SNSでは《谷原さん話聞いてた?》《同じ質問するな》《同じこと聞くならわざわざ入ってこないで》《被災者に失礼》といった批判が殺到していた。

「番組では谷原さんが、Ⅹ(旧Twitter)の番組アカウントへの情報提供を呼び掛けていました。救助や物資不足に困っている被災者の方に、『可能な限り取材させていただきたいと思います』と頭を下げていましたが、この『可能な限り取材』というフレーズにも、《支援じゃないの?》《取材よりも支援でしょ》と物議を醸していました。谷原さんが『めざまし8』のMCに就任したのは21年の春。それ以降、今回のような大災害が起きることはなかったこともあって、情報番組の経験不足が露呈してしまう形となりました」(メディア誌ライター)

 被災者の負担にならないよう、取材する側の配慮も求められそうだ。

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