日本の「新お家芸」スケートボードがメダルラッシュに沸いた。ストリートの男子は五輪予選で苦戦した25歳の堀米雄斗が大逆転で2連覇を達成。またストリート女子は、若干14歳の吉沢恋が金、15歳の赤間凛音が銀を獲得し、注目を集めている。
またパリのコンコルド広場で行われた、スケートボード女子パークでは、15歳の開心那が2大会連続で銀メダルを獲得。地元の苫小牧では「心那ちゃんカッコイイ!」と、スケートボードを始める子どもが急増しているのだとか。
そんな中、金メダリスト・堀米とおぼしき人物の練習風景動画が「迷惑行為」として議論を呼んでいる。問題の動画は、男性が街中でスケートボードの練習中、警備員と見られる人物から再三にわたってやめるよう注意されているにもかかわらず、これを一切無視してスケートボードを続け、何事もなかったように街中へ去って行く姿が映っている。
SNS上では「シンプルに迷惑」「これだからスケボーのイメージは一向に良くならないんだ」「まずトップから見本を示さないとダメだろ」などと、厳しい声が相次いでいる。練習を撮影していたスタッフのようなカメラマンもいたことから、何かの撮影上の演出だった可能性もある。だが、ネット上ではこの動画が「迷惑行為」として拡散されているのだ。
「東京五輪後、競技人口が一気に増えたスケートボードですが、練習できる環境が限られているためか、路上や公園などで練習する若者が後を絶たず、問題視されている地域もあります。ストリートのトップスケーターは皆、板と車輪をつなぐ金具部分でコースの縁を削るように滑る『グラインド』系と呼ばれる技をもち、『金具と地面が接する際の音がカッコイイ』と憧れるファンは多い。街中の公園の手すりに金属の擦れた跡があるのは、その影響でしょうね」(スポーツライター)
最近ではスケートパークなどの専用施設が充実してきてはいるものの、それでも圧倒的に不足しており、結局は近所の公園やビル周辺がスケボー少年少女のたまり場になりがちだ。近年の公園はキャッチボールですら禁止されていることが多いが、スケボーは音の問題もある。
今後、スケボー大国になるためにも、子どもたちが遠慮なくスケボーを練習できる施設の充実と同時に、スケーターたちのマナー向上も願いたいところだ。金メダリストの堀米にはぜひ、率先して見本になってほしい。
(ケン高田)