英国が「積年の恨み」でパリ五輪選手村の料理を酷評しまくる“美食の国”という意外な自負

 選手村で提供される食事が酷評されている今回のパリ五輪。地元メディアも厳しく報じているが、特に批判的なのは英国メディア。料理に関しては世界三大料理の国に数えられるフランスから長年バカにされてきた歴史もあり、積年の恨みと言わんばかりにバッシング報道を繰り返している。

 とはいえ、世界各国における英国料理の評価は決して高いものではなく、それは日本でも例外ではない。実際、現地の料理で思い浮かぶのは、フィッシュ・アンド・チップスぐらいという方も多いだろう。だが、近年はそうしたイメージを払拭し、“美食の国”として変貌を遂げ、国民もそれなりの自負があるという。

 英国は自国料理こそフランス料理や日本の和食のように洗練された印象はないが、「24年版ミシュランガイド(英国&アイルランド版)」に登録されている星付きレストランは200軒以上。うち82軒はロンドンに集中しており、ヨーロッパの都市別ではパリに次いで多い。

「世界の大都市だけあって、東京やニューヨークなどのように各国料理の名店が揃っています。ただし、高級店ばかりではなく、庶民向けのレストランはもちろん、カフェや街角のスタンドで提供する軽食も全体的にレベルが高い。フラム地区にある『The Harwood Arms』のような庶民向けのパブも1つ星として認定されています」(英国在住ライター)

 また地元の名物料理だと、日本でも人気のシチューはイギリスでも定番料理のひとつで、英国在住ライターは「ビーフシチューや英国発祥のオックステールシチューにはハズレがない、と言われているほど」と話す。

「さらにカリーアンドライスは、日本のカレーの源流と言える料理。パキスタン系などの移民によって広まったチキンティッカマサラというアレンジ料理と合わせ、地元では人気です。他にもサンデーローストは様々な肉のバリエーションがあり、日本にはなじみの薄い惣菜系のパイ包み料理といった伝統料理も美味しいですよ」(同)

 そもそも口コミサイトでマズイと酷評された店が実際には美味かった、なんて話は日本でもよくあること。味に関するネガティブな噂ほど当てにならないのかもしれない。

※写真はチキンティッカマサラ

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