金20個を含む計45個のメダルを獲得し、国別メダル獲得数でアメリカ、中国に次ぐ3位となる躍進を遂げたパリオリンピックの日本選手団。だが、ある意味それと同等、あるいはそれ以上の粘り腰を示したのが、隣国の韓国と北朝鮮だった。韓国の「中央日報」は「メダル32個のサプライズ成績」と伝え、在日本朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」は、「8年ぶりの夏季五輪で健闘 6個のメダル獲得」と伝えた。
「今回のパリ五輪では開幕前、韓国内で相当な悲観的ムードが漂っていました。というのも、9大会連続で本大会に出場していた男子サッカーはアジア予選で敗退。団体競技は女子ハンドボールのみで、東京五輪では237人いた選手団も、パリ大会は同国の歴史上2番目に少ない144人で、同国体育協会の選手育成に批判が高まっていたからです。そして協会も金メダルを5個と事前に予想していたところ、結果はそれを大幅に上回る13個も取れたことで、さらにその弱気だった姿勢が問題視されています」(スポーツライター)
また北朝鮮も、朝鮮新報の記事の見出しにあるように、8年ぶりの五輪は継続的な強化の上では明らかにハンデになるにもかかわらず、6個のメダルはやはり健闘と言える。それを如実に示すのが、メダルの個数のみによらない「獲得率」の高さだ。
「日本の選手団は409人ですから、これを総メダル数45で割ると約9で、つまり9人の選手のうち1人がメダルを獲得したことになります。そこでこれを韓国、北朝鮮で見ると、韓国は4.5、北朝鮮は2.3。驚異的な獲得率ということになります」(同)
もっとも、韓国は団体競技での参加がほとんど果たせなかったので日本より率は高くなるうえ、北朝鮮も全員個人競技なので、もっと高くなりがちだ。だが、それにしてもやはり異常に高い数値となっている。
また東アジアで見れば、中国はランキング2位でやはり多くのメダルを獲得。これに日本の健闘を合わせれば、東アジアの国の頑張りが目立った大会だったと言える。次のパラリンピックは果たしてどうなるか。
(猫間滋)