「ラグビーW杯」日本代表の躍進が組織委の財政も救っていた!

 ラグビー・ワールドカップ日本大会1次リーグA組で、日本が首位に立った。世界ランキング2位のアイルランドに逆転勝利した一戦は「史上最大の番狂わせの1つ」と、イギリスBBCスポーツが速報で伝えたほど。懸念されたチケットの売れ行きも好調のようだが、大会の命運は「日本代表のミラクルがどこまで続くか」に掛かっているようだ。

「ラグビーW杯は、五輪やサッカーW杯と違って、開催国の黒字化が難しいとされています。収入の柱であるテレビ放映権料やスポンサー収入のほぼ全額を国際統括団体ワールドラグビー(以下=WR)に持っていかれるシステムになっています。開催国(組織委員会)に入るのは、入場料収入だけでした」(体育協会詰め記者)

「でした」と過去形でいうのは、日本の組織委員会が国内だけの企業広告料を新たに設け、開催国収入とするなど、WRにはたらきかけていたからだという。また、協賛宝くじから100億円、サッカーくじから79億円などを得て、組織委の収入は564億円まで増えた。

「肝心の入場料収入がいちばん心配でした。日本代表戦はともかく、外国チーム同士の試合を満員にできるかどうか…。決勝の一部の席は10万円に達する高額商品となり、国内の社会人トップリーグでも平均5000人に届くかどうかの日本で売りさばけるか心配されていたのです。開催費用が当初の320億円から500億円に膨らんだこともあり、チケットの売れ行きによっては組織委は100億円を超える赤字を覚悟していたようです」(同前)

 ところが前回大会から続く日本の躍進もあり、日本はラグビーブーム一色に。ラグビーの面白さに目覚めた新しいファンが、外国チーム同士の対戦にも大勢駆けつけている。
 
 ラグビーW杯が開幕して1週間の時点で、総観客数は42万人に到達。このままいけば、興行的にも大成功を収めることになりそうだ。
 
 この“ラグビー熱”を一過性にしないためにも、ジェイミージャパンには目標のベスト8入りをなんとか達成してもらいたい。

(スポーツライター・飯島満)

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